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ドラえもん〜のび太のマトリックス〜 アニメキャラの体験談


「銅鑼えも〜ん!」
やれやれ。またのび太君苛められたな。
いい加減漏れも未来に帰りたいヨ。
銅鑼えもんはドアの外から聞こえるのび太の声に
いい加減うんざりしながら読んでいた漫画を閉じた。
「銅鑼えもん!聞いてよ。スネ夫とジャイアンが!」
「わかった、わかった。つーか落ち着け。」
「スネ夫がね新しいパソコンを買ったんだ!」
「人の話聞いてるか?つーか何言ってんの?」
「ひどいんだよ〜うわ〜ん。」
やれやれ。

落ち着いたのび太に話を聞いてみるとこういう次第だ。
「今日の帰り僕のニューマシーンを見に来ない?」
放課後の教室でスネ夫がのび太とジャイアンに声をかけた。
「僕の従兄弟の大学生が自作してくれたんだよ。
 最新構成だぜ。フォトショップなんて一秒で開くよ!」
「おう!見に行くぞ!」
「僕も僕も!」
毎回イヤな思いをするのは分かり切っているのに
なぜそこで見に行くのだろう?バカだからか?
スネ夫の家に着くとスネ夫ご自慢のプラモデルアトリエの
一角にそのマシンは置いてあった。
モニタは液晶17インチと21インチ。
マシン本体はフルタワーケースだ。
見ただけで金がかかっているのがわかる。

「マシン構成はpentium4、1.7GHz
 アスロンも早いらしいけど動画いじるんなら
 ペンチだよね〜。
 メモリは積めるだけ積んで4GB
 HDDはRAID0+1で100GB
 フルSCSIも考えたけど意味がないからやめたよ。
 ビデオカード、キャプチャボードはカノープス。
 PowerDVDProducer/DVRex-RTProfessionalだからね。
 サウンドカードは無難にSoundBlasterLive!Platinum
 ケースはもちろん銅製だよ。」
「何がなんだかわからねぇけどとにかく凄いんだろ?」
「IEEEで僕のジオラマをキャプチャしてね。
 来年はオスカー像を狙うつもりさ!
 もちろんジャイアンも手伝ってよ。」
「おう!任せとけ。」
「ぼ、僕にも手伝わせてよ〜!」
「え〜?のび太に?」
「のび太はやめておけよ。」
「なんで?どうして!?」
「だってのび太はヘマばかりするからな。
 僕の大作を邪魔してほしくないし。」
「そうだそうだ。のび太は帰れ。」



「と言う訳なんだ〜。」
銅鑼えもんはスネ夫の言う事にも一理あると思った。
と言うかスネ夫の意見に賛成だった。
こいつにPCが扱えるわけはないし、
他の事でも役に立ちそうもない。
「銅鑼えも〜んパソコン出してよ〜」
ほらきやがった。ウゼ〜
だいたいこんなやつ教育し直しても無理なんだよ。
以前セワシ君と話し合ったけど
たとえ非合法だとしても
ヒトゲノムいじった方が早いんじゃないだろうか?
ただセワシ君は
「さすがにそれは俺が生まれなくなるかも知れないから。」
と拒んでいたな。関係ねぇよ。
やって見なきゃわかんないジャン。
夜寝ている時にいじっちゃえば良いんだし。
ただ見つかると時間懲役刑だ。
TPが急行してきて遠い昔に放置されてしまう。
持っていける物はナイフ一本。
さすがにきついよな〜。死刑になった方がマダマシ。
しかしロボットに死刑は適用されない。

「ねぇ!聞いてるの!?」
「え?何だっけ?」
「パソコンだよパソコン!出せるの出せないの?」
「あ、そうかそうか。」
「まったくー。耳がないからって
 聞こえないふりしないでよ〜」
コノヤロウ。机の引き出しあけて今すぐタイムホールから
ディラックの海に投げ込んでやろうか?アン?
「ごめんごめん。でもパソコンはないなぁ。」
「え〜?未来のパソコンとかないの?」
「未来ではパソコンなんて使ってないんだよ。」
「へ?」
「みんなPDAを持ってる。
 それに携帯、テレビ何でもついてる。
 だからパソコンなんて使わないんだよ。」
「仕事とかでも?」
「仕事で使うのは端末だけど今のパソコンとは違うな。
 ゴーグルみたいのか対話型かだよ。」
「じゃあゲームもしないの?」
「ゲームもゴーグルタイプだね。」
「それじゃあパソコンは?ないの?ダメなの〜?」

「いや、何とかなりそうだよ。」
「え?ホントに?」
ああ、こいつはホントにウゼェ。
アシモフのロボット三原則なんて未だに守らされてなければ
今すぐにでもこいつぶっ殺して死体を
虚数空間に投げ込みたい。
しかし俺たちロボットには査定って物がある。
人間が閻魔様に裁かれて地獄行きになるように
俺たちも良い事をすればステージがあがって
新しいハードにプログラムを組み込んでもらえる。
うまくいけば中央生体CPUの一部分になって
人間世界を操れるようにだってなる。
普段ごろ寝ばかりしているように見えるけど
電気羊の夢ばかり見ているわけには行かないのだ。
「のび太君貯金はどれぐらいあるの?」
「ええ!?パソコン買うつもり?
 貯金なんて300円しかないよ。
 今月の小遣いは使っちゃったし。」
「300円か。仕方がない僕もへそくりを出そう。」
しょうがねぇな。俺の取って置きのペリカを出すか。
どらやき買おうと思ってたのに。それだけが楽しみなのに。
「2300円。これだけあれば何とかなるかな?」
「え〜?64メモリも買えないよぅ」
「まぁ黙ってついておいで。」

俺たちはタイムマシンに乗って5年後へ急いだ。
「そんな所へ行ってどうするの?」
「5年後の秋葉へGO!」
「5年後にはパソコンが2300円で買えるの?」
んなわきゃあない。

秋葉についたらジャンク屋へ向かう。
「あれ〜?銅鑼えもん。ここ秋葉じゃなくて
 虎ノ門じゃない?東京タワーがあるよ?」
「ああ、今計画中のやつだろ。秋葉タワー。」
秋葉原周辺はすっかり再開発が進んで
小綺麗なビルが建ち始めている。
「ジャンク屋なんか行ったってパーツも買えないよ!」
「パーツなんか買わないさ。本体とモニタ買うの。」
「ええ!?2300円で?」
ジャンク屋に入ると2001年現行機種が型落ちとして
所狭しと並べてある。
「おじさん!動作無保証で良いから
 組んである一式ない?」
「ああ、この間余ったパーツかき集めて作ったけど
 動かないやつがあるよ。たぶんCPUが逝ってるな。
 たぶん無理なクロックアップしたんだろ。
 メモリも怪しい。HDDは音はするけど動かない。」
「それ頂戴!1000円で。」
「う〜ん。まあ良いか。」
「ついでにモニタも頂戴。出来れば液晶で。」
「壊れてるので良いのかい?」


モニタとPC併せて1500円で手に入れた。
「さあ、帰ろう。」
「銅鑼えもん。こんな古いの動かないじゃないか。」
「おいおい。pentium4、2GHzだぞ。
 おまけにGeForce5、HDDも150Gある。
 メモリだってPC2100DDRSDRAM1Gだ。」
「だけど壊れてるんだろ〜?」
「君はタイムふろしきを忘れたの?」
「あ!そうか!」
こいつは家から出ないで引きこもってた方が
世の中のためかも知れないな。ああ、未来に帰りてぇ。

「でもこんなパソコンが壊れているとはいえ
 1500円で買えちゃうんだね。」
「ムーアの法則って知ってるかい?」
「うん。人差し指がサインで親指がコサイン
 中指がタンジェントだろ。」
「???・・・なんだそれ?
 まぁ良いや。ムーアの法則ってのは
 CPUの進化速度の話なんだけど
 ここ数年崩壊したって言われてたんだ。
 それが日本企業のバクテリアによる
 集積回路敷設技術開発によって
 さらに加速化したのさ。」


「さっぱりわからないけど。」
「とにかく現行のPCは電気ばっかり食って
熱ばかり発散する電熱器みたいな物だから
安くなってるのさ。家電リサイクル法も
それに拍車をかけてただ同然。
むしろ売る時は金を払う事の方が多いよ。」
「ふ〜ん。」
こいつに教育を施している間にタイムマシンは
2001年についた。机から出て早速ポケットから
ジャンクPCを取り出した。
「銅鑼えもん。タイムふろしき!早く早く〜」
全くウゼェな。
「あんまり時間を戻すと石油とゲルマニウムの
固まりになっちゃうぞ。」
「わかってるって。」

風呂敷をはぐとPCは新品同様、真っ白になった。
「さて電源を入れてみるか。」
配線を繋いでやって電源を入れてみた。
やった。案の定AWARDBIOSの画面が現れた。
モニタもPCも正常に動いているようだ。
だが、OSが入っていないらしくそこで止まってしまった。

「これは困った。」
「どうしたの?」
「OSが入っていないんだよ。」
「ええ?じゃあこのままじゃ動かせないの?」
「ソフトが入っていないとただの箱だからねぇ。」
「そうだ!タイムふろしきで
 ちょっとだけ先に進めれば良いんじゃない?」
「!! 君、頭良いね。」
早速タイムふろしきを裏返しにしてかぶせて
すぐにはずした。すると今度はOSが入った状態になり
すんなりとWin2kのロゴが現れた。
「良し良し。」
だがマシンが起動して驚いた。
壁紙が何か美少女ゲームのキャラクターになっている。
こ、これは!もしかして。
スタートメニューを見てみて驚いた。
18禁ゲームが山のように入っている。
このPCの前のユーザって一体!?
「どうしたの?」後ろからのび太がのぞき込む。
「い、いやダメみたいだよこのOS。」
さすがにこれは教育上まずい。
ちょっと惜しい気もするがタイムふろしきをまたかけた。


「う〜ん。どうしようか?」
「スネ夫の家へ行ってOS借りてくるよ。」
「そ、そりゃまずいだろ。」
「なんで?」
「違法コピーって言ってね…君、著作権って知ってる?」
「ナニソレ?強いの?」
「とにかくソフトはコピーしちゃダメなの!
ん?待てよ。そうか。良し。
スネ夫にOS借りてきてくれ。」
「わかった〜」

スネ夫の家に行くとなぜかスネ夫は
OSをすんなり貸してくれたらしい。
変だな。いつもはあんなにケチなのに。
まぁ良いさ。
「ふえるミラ〜!!
 これでOSを増やせば良いのさ。」
「でも銅鑼えもん、それはコピーじゃないの?」
「これはコピーじゃない。正規品だよ。
 ほらマイクロソフトのロゴも入ってるし
 認定証もシリアルもついてるだろ。」
「確かに。」
「ゲイツだってこれは正規品だって言うよ。」


コピー…じゃなくて『増やした』OSを早速
インストールする事にした。
だがCDはOSを認識してくれない。
おかしいなぁ。ちゃんとCDbootに設定したし
win2kだからこれで良いはずなんだけど。
「ああ!銅鑼えもん。このCD逆なんじゃ?」
「ちゃんと表にして入れたよ。君じゃあるまいし。」
「そうじゃなくて鏡だから逆になってるよ!」
「!! 君頭良いね。」

『増やしたOS』から更にふえるミラ〜で
コピー…じゃなくてOSを取り出した。
これで元に戻っているはずだ。
「コピーにコピーを重ねてるね。」
「コピーじゃないって言ってるだろ!」
「最初からCD-Rで焼いてもらった方が早かったんじゃ…」
「それは違法コピーだからダメ!」

『増やしたOS』はきちんとインストールできた。
さすがは最新鋭機種。セットアップも早い早い。
「スネ夫にOS返してきて良いよ。」

スネ夫にOSを返しに行くと玄関でスネ夫は玄関で
待ちかまえていたらしい。
「のび太。ずいぶん早かったな〜。
 おまえこのOSインストールしたんだろ。」
「ううん。このOSは使ってないよ。」
「じゃあコピーしたのか?」
「ううん。増やしただけだよ。」
「それをコピーって言うんだよ!」
「コピーじゃないって。」
「ACCSにチクってやるからな〜」
「 良いよ。家には正規品しかないから。」
「はぁ(゚д゚)?」

帰ってきたのび太にその話を聞いてスネ夫が意地悪目的でOSを貸してくれた事がわかった。
危ない危ない。
「さあ、パソコン使ってみようか!」
「うん!」
「のび太君は何がしたいの?」
「え?」
「何かしたい事があってパソコンねだったんでしょ?」
「う、うん。」
「じゃあ、何しようか。このスペックなら何でも出来るぞ!」
「な、何が出来るのかな?」
漏れ未来に帰りたい(;´Д`)

そうか。こいつはスネ夫に勝ちたかっただけなんだな。
俺はげんなりした。だがこれもいい機会だ。
のび太君にパソコンの事を教えてやろう。
あやとりと射撃だけじゃ世の中渡って行けない。
「じゃあとりあえず、インターネットが出来るようにしよう。」
「そう!それやりたいな!後メールも。」
「わかったわかった。」
「でもいろいろ契約とかしないといけないんでしょ?」
「任せとけって〜」
俺は腹の四次元ポケットを探った。
「ブロ〜ドバンド〜!!」
「なんだい?このベルト。」
「これは『ブロードバンド』と言ってね。
 これをPCに巻き付けておけば超高速回線が使えるんだ。
 契約も要らない。IPはその辺の開いてるのを借りてくる。
 上り下り500Mbpsだぞ!。しかも無線。
 メールはその辺でフリーのを探して来な。」
「そんなー!もっと教えてよ。」
「困ったなぁ。これから近所の猫とデートの約束があるし。
 それに聞いてばかり居たらいつまでも覚えないぞ。」
「でもどこに行ったら良いのかさえもわからないよ〜。」
クソこいつ。ヲタみたいな容貌のくせにヲタにはなれないのか?
しょうがない。あれを落として来るか。


「タイムプロキシ〜!!
 このプロキシは未来や過去とインターネットが出来る
 プロキシサーバなんだ。これをインストールして…」
「プロキシって何?」
「串だよ串!」
「ふ〜ん」
さて、あのソフトをダウンロードしよう。
確かあのソフトは本家に睨まれて潜っていたはずだけど
どこにあるかな?…あったあった。
「謎春菜〜!!
 このソフトはデスクトップに寄生して
 いろいろ教えてくれるから後は自分で色々聞いて。
 じゃ、漏れ出かけるから。」
「ああ!待ってよ銅鑼えもん〜…あ〜あ行っちゃった。」
「あたしじゃダメですか。」
「わ!びっくりした。なんだなんだ?」
「あたしじゃダメですか?色々役に立ちますよ。」
「き、君は?」
「謎春奈です。こっちは相方の『う゛にゅう』です。」
「何だまたメガネヲタか。俺らのユーザこんなんばっかだ。」
「す、すいません。こら!う゛にゅう!」
「君がパソコンを教えてくれるの?へ〜。
 じゃあとりあえずメールソフトを。」
「その前にダウンロードソフトを落としておきましょう。
 幸いタイムプロキシが作動している様ですから
 Iria4.02?を…これ以降は開発がストップしていますが。」

のび太は謎春奈との会話を楽しみつつ
PCの基本について習い始めた。
「ふーん。じゃあHDDって所にダウンロードした物や
 自分で作ったデータが置いてあるんだね。」
「はいそうです〜。のび太さん賢いですね♪」
「えへへ。そうかな〜。」
「じゃあ、そのDLしたdataにアクセスしてみましょうか。
 まずエクスプローラを開いてください。」
「わかった。はい。開いたよ。」
「あの…IEではなくエクスプローラを…」
「え〜これエクスプローラじゃないの?」
「それはインターネットエクスプローラです(;´Д`)」
「なんだかややこしいね。」
「…じゃあマイコンピュータをダブルクリックしてください。」
「う〜んとぉ、わかったこれだね。」
「はい。良くできました〜。」
「猿じゃねぇんだからそのぐらい出来るだろ(ボソッ」
「こ、こら、う゛にゅう!」
「ハイハイ。そいつが一人でショートカットぐらい作れるようになったら
 起こしてくれよ。俺もう寝るから。」
「のび太さん気にしないでくださいね。」
「平気平気。いつもスネ夫の嫌みで慣れてるから。」
「打たれ強さだけは人一倍だナ。ハジメノイッポ?(ワラワラ」
「う゛にゅう!早く寝なさい!」


「じゃあとりあえずメールをやりたいな。」
「それではアウトルックも良いですが
 使いやすいフリーのソフトを探してみましょう。」
「未来のメールソフトだね!」
「いえ、タイムプロキシは試用期限を過ぎたようですね。」
「ええ?もう使えないの?」
「はい。どうやらこれは雑誌の付録のソフトだったようですね。
 レジストしないと使えないようです。」
「お金がかかるの?」
「はい。5000円ですね。」
「そんなお金ないよ〜。」
「では諦めましょう。この時代にも良質なフリーウェアは
 沢山あるようですからそれを探しましょう。」
「銅鑼えもんもケチだな。まぁしょうがないか。」
「サイズも小さくて軌道も早い設定も簡単なソフトがありました。
 これをインストールしましょう。」
のび太は教えられた通りインストールした。
「ついでにフリーのメールサービスを見つけてきたので
 設定もしちゃいましょうね。」
「これで静ちゃんとメールが出来るね?」
「はい。試しに送ってみましょうか。」
「うん。じゃあ僕書くね。」
のび太は辿々しい手つきでkeyを叩きメールを書いた。
そして早速送ってみたがメールは帰ってきてしまった。
「あれれ?メールアドレスとか間違ってないよね?」
「sizuka8@so-net.ne.jp…間違っていませんね。」
 どうやらあちらの設定ミスのようですね。」
「じゃあ僕電話してみる。」

「静ちゃん?のび太だけど。メール送れないんだけど
 設定が間違ってない?」
「あらのび太君。メール始めたの?
 実はメーラーをポストペットにしたんだけど
 設定が悪いらしくてペットが帰ってこないのよ。
 どうしたらいいのかしら。」
「そうなんだ。ちょっと待っててね。」

「…と言う事らしいよ。」
のび太は謎春奈にその事を説明した。
すると謎春奈はちょっと姿を消すとすぐに戻ってきた。
「SMTPの設定が間違っている様ですね。
 直して来ちゃう事も出来ましたが
 今から直し方を教えるので、メモして教えてあげてください。」
のび太はそれをメモって静ちゃんに教えてあげた。
「これで良いのかしら?」
「ちょっと待ってて試しにメール出してみるから。」

 ▼大長編銅鑼えもんのび太のマトリックス
前のページ/次のページ
のび太は部屋に戻ってメールを出した。
「どう?」
「あ、届いたわ。ありがとうのび太さん!」
「いやいや、それほどの事でも〜」
「でもペットのウサコが帰ってこないわ。
 どうしちゃったのかしら?
 きっとあたしのミスで迷子になって居るんだわ。
 あたしひどい事しちゃった。」
静ちゃんは泣きそうな声を上げた。
「泣かないで。ちょっと待っててね。」

「…と言う事らしいよ!」
「ハイわかりました。」
そう言うと謎春奈はまた姿を消した。そして現れ
「すぐに帰ると思いますよ。」

「静ちゃん。メールチェックしてみて〜」
「あ!帰ってきたわ!ゴメンねウサコ!」
「良かった良かった。」
「凄いわ!のび太さん。尊敬しちゃうわ!
 いつの間にパソコンに詳しくなったの?」
「え?あはは。それ程でもないよ〜
 じゃあ返事待ってるからね。」


「いや〜すっかり感謝されちゃったよ。」
「良かったですね。」
「でも静ちゃん誰にメール出したんだろ?」
「誰でしょうね?」
「謎春奈さんわかるんでしょ?」
「で、でもそれは…」
「お願いだよ。ネ。一回だけだから。」
「しょうがないですね。じゃあ一回だけですよ。
 え〜と、出来杉英才さんって方ですね。」
「え!何だって!くそ〜出来杉の奴。」
「ポスペにする前は
 何度もメールのやりとりしていたようですねぇ。」
「偽春奈さん!そのメールの内容見せて!」
「ええ!?だめですぅ。」
「じゃ、じゃあもう二人がメール出来ない様にして!」
「な、何言ってるんですか?」
「お願いだよ〜」
「ダメです。」
「ちぇ!まあ良いや。
 それよりもっとパソコンに詳しくなって
 静ちゃんに尊敬されるぞ!」
「立派です〜。」
「えへへ。じゃあ他にも何かインストロールしようよ!」
「…インストールです。」

ドラえもんがデートから帰ると、
のび太はまだ謎春奈にPCの操作について習っていた。
「ずいぶんはまってるみたいだね。」
「銅鑼えもん!謎春奈さんのおかげで
 ずいぶん自信がついたよ。」
銅鑼えもんが謎春奈の顔を見ると
ずいぶんと疲れ切った顔をしている。
こいつ。プログラムを疲れさせるとは大した奴だ。
しかし俺だってAIとはいえ立派なプログラム。
その俺が疲れるんだから謎春奈だって例外じゃないな。
「そろそろご飯だし一休みしなよ。
 パソコンだって色々入れたんでしょ。
 再起動した方がいいよ。」
「そっか。わかった。」
銅鑼えもんは謎春奈のほっとした顔を見逃さなかった。
だが謎春奈の方でもその顔を見られた事に気がついた様だ。
銅鑼えもんはこっそりウインクをして見せた。
謎春奈はにっこりと微笑んで
「ではスタートメニューからwindowsの終了を…わー!
 いきなり電源切っちゃダメですぅ(;´Д`)」
「君この数時間何してたの?」
「失敬な。まだ電源落とした事がなかっただけだよ。」
のび太は電源の落とし方を習い、無事電源を落として
階下に食事を摂りに行った。


食事が終わると自室に戻り早速PCの電源を入れようとした。
「ダメだよ。今日はもうやめときな。」
「何でだよ?」
「そんなに一遍に覚えられないだろ。
 それに君宿題終わったの?」
「あー!忘れてた。今日は大量の宿題が。」
「僕知らないからね。お休み。」
「そ、そんなぁ手伝ってよ。」
「ダ・メ。その代わり明日起こしてあげるから
 今日中にがんばって終わらせな。お休み。」
宿題の面倒まで見てられるか!
でも今の対応は間違っていないはずだ。教育だからネ。
のび太はしばらく押入の外でわめいていたが
諦めて宿題を始めたらしい。これで良しと。

のび太は泣く泣く宿題を始めた物のいつも通り
なかなか進まない。
イライラしていると突然PCの電源がついた。
「?」
OSが起動すると
スタートアップに登録してある謎春奈が起動した。
謎春奈はスヤスヤと寝ている。
のび太が見ているとスピーカーから小声で呼びかけられた。


「おい。大声は出すなよ。」
う゛にゅうだった。
「お前、未来のソフトほしいんだろ?
 タイムプロキシの尻拾ってきてやったぞ。」
「尻?」
「レジストして使える様にするんだよ!
 それから、静チャンと出来杉のメール。
 盗んできてやったぞ。ヒヒヒ」
「ほ、ホントに?」
「これから色々面白い物落としてきてやるから
 一緒に遊ぼうゼ」
「でも、宿題が…」
「そんな物俺がやってやるヨ!スキャナは無いんだったな。
 良し、問題読み上げろ。答え教えてやるから書き写せ。」
「うん!」
宿題は5分ほどで終わった。
「じゃあ早速二人のメール読んじゃおうゼ!」
「うん。で、でもなんか悪い気もするなぁ。」
「バカヤロ。今更何言ってんだヨ。氏ね!」
「わ、わかったよ。読むよ。」
「ヘヘヘ。二人は仲良いゼ。最近の消防は進んでるからナ
 ひょっとしたらそのうちにあんな事やこんな事。」
「や、止めてよ!」
「大声出すなよ!」

メールを読むと中身はたわいもない物だった。
学校で起こった事や、勉強の事について毎日交わされていた。
どうやらメールというコミュニケーションそのものに
興味があるだけで、二人でやっている事に
何ら意味はない様であった。
「なーんだ。」
「チッ。つまんねぇメールだな。」
のび太は悪い事をしてしまった様な気がした。
「お前まさか罪の意識が芽生えてる訳じゃねぇよな?
 ほら、この一文見ろよ。
『のび太君今日も宿題忘れたね。困ったもんだ』
 お前バカにされてんだぞ。良いのかヨ」
「そ、そうだよね。そんな事書かなくても良いよね。」
「だったら二人のメールに悪戯してやろうぜ。
 そうだな。静あてのメールに『オマソコ』って
 かいとくか。ギコギコ」
「そ、それはまずいんじゃ…」
「大丈夫だよ。お前だって事はばれないから。」
「そ、そう?」
「俺に任せておけって。この件はこれで終了〜。
 さ、ゲームでもして遊ぼうゼ。何が良い?」
「ど、どんなのがあるの〜?」
「何でもそろってるゼ。UOなんてどうよ。
 俺がID盗んできてやるから、チートして
 PKしまくろうゼ!」


のび太はUOのプレイのやり方を教えてもらい
う゛にゅうも一緒にプレイする事になった。
「おい、あそこにいる奴お前の知り合いの奴じゃねぇか?」
「え?誰?」
「OS貸してくれた奴だよ。」
「スネ夫か!そういえばあいつ
 ウルティマがどうとか言ってたな。」
「早速殺してやろうゼ」
「そんな事出来るの?」
「あいつのそばに行って険振り回すだけでイイヨ」
「良し!日頃の恨み〜」
スネ夫は最初抵抗する素振りを見せたが
すぐにかなわないと感じたのか逃げ始めた。
「あはは〜逃げろ逃げろ〜」
「お前やるじゃねぇか〜。そこだ追いつめろ。」
「あ〜スッキリした!」
「面白かったか?他にも色々あるゾ」
「うんうん。次は何にしようか〜?」

のび太はすっかり明け方近くまで遊んだ。
布団に入ってからすぐに銅鑼えもんに起こされてしまった。
「う〜ん。後五分。」
「偉い!宿題全部やったんだね。」


眠い目をこすりながらのび太がギリギリに登校すると
静ちゃんは休んでいた。
昨日のメールのことを思い出したが
まさか悪戯メールごときで休むことはあるまい
風邪でも引いたに違いないと思った。
休み時間にスネ夫がUOについて自慢話を始めた。
「昨日は僕にPKしようとしたやつがいたから
 返り討ちにしてやったよ。逃げ回ったけどムダだね。
 二度とそんな気を起こさないように追いつめて
 殺してやったよ、アハハハ。」
「スゴイなー。僕もネットゲームやりたいよ。」
「俺も俺も。」
みんな感心したようにスネ夫の話を聞いている。
のび太は腹が立ったので
「何言ってんだい。追いつめられて殺されたのは
 君の方だろ!」
と、つい言ってしまった。
すね夫は最初ビックリした顔をしていたが
すぐに青い顔になってわめき始めた。
「な、何言ってるんだよ
 おまえUOってなんだか知ってるのか?」


のび太は昨日の事がばれるとマズイと思い
必死に弁解した。
「あ、あはは、夢見たのかな?勘違いしちゃった。
 UOってウルトラオイスターだっけ?あはは
 違う?そっかそっか。」
スネ夫は怪しんでいる様であったが
それ以上何も言わないので安心した。

HRに先生が静ちゃんに誰かプリントを届けてくれないか
みんなに聞いた。
昨日の事がちょっと気になっていたので
のび太は届けてあげることにした。
帰り道出来杉が声を掛けてきた。
「静ちゃん、どうしたのかな?
 心配だから僕も一緒に行って良いかな?」
こいつ邪魔なやつだと思ったけど「良いよ」と
言って置いた。


静ちゃんの家へ行くと、お母さんが出迎えた。
「静、寝込んじゃってるのよ。
 熱はないみたいなんだけど…」
「風邪じゃないんですか?」
「何聞いても、あんまり答えてくれないのよねぇ。
 良かったら二人で上がっていかない?」
「良いんですか?」
「何か心配事があるようだから元気づけてあげて欲しいの。」
「わかりました。」

「野比くんと出来杉君が来てくれたわよ。」
「………」
「入るわよ。」
「イヤ!会いたくない!」
「どうしたのよ?」
「………」
すると出来杉が
「何があったか話してくれないかな?
 出来れば力になってあげたいんだけど。」
くそ、出来杉のヤツめ。巧い事言うなぁ。
「ぼ、僕も僕も!」
のび太は急いで言った。

「メールが来たの…」
静ちゃんの部屋にはいると涙声で語り始めた。
「添付ファイルが付いていて、簡単に開けちゃいけないって
 教えられていたんだけど出来杉君からのメールだったから
 開けちゃったのよ。そしたら…」
「ちょっと待って。僕はそんな添付ファイル送ってないよ?」
「やっぱり出来杉君じゃなかったのね。
 あなたがあんなメール送る訳無いもの!」
そう言うと静ちゃんはポロポロと涙を流した。
あああ、やはりう゛にゅうが送ったメールが原因だったか。
だからやめておこうって言ったのに。
それにしても一言『オマソコ』って書いてあるだけなのに
こんなにショックを受けるとは…女の子だなぁ。
あれ?テンプファイル?テンプファイルって何だ?
「そのメール開けても良いかい?」
出来杉が聞いた。
「……ダメ。」
「どうして?」
「嫌なの!」
「ひょっとしたら犯人を突き止められるかもしれない。
 名前をかたられた以上僕としても絶対に
 犯人を捕まえたいんだ。」


「恥ずかしいの!嫌なの!」
「でも静ちゃん!」
「どうしても見るのならあたし
 この部屋を出てる。」
「わかった。そうしてくれていて良いよ。」
のび太は二人のやり取りを聞きながら
かなり鬱になって来た。
犯人て僕なのかなぁ?でも僕メールなんて出してないし。
最初の目的は二人の仲を引き裂くためだったのに
これで僕が犯人だと思われたらまるっきり逆効果だ。
でもう゛にゅうはばれる心配は無いって言っていたし。
それよりもさっきからテンプテンプ言ってるけど
何の話なんだろう?オマソコ=テンプ?そうなの?
静ちゃんが部屋を出ると出来杉はiMacをいじり始めた。
ポストペットを開いて受信ボタンを押す。
しかしまだ使い始めたばかりなので
数えるほどのメールしか置いてなかった。
出来杉はその中で一番下にあるメールをクリックした。
「酷いな。一体誰が!」
メールにはオマソコと書いてある。差出人は出来杉だ。
「ヘッダを書き換えるぐらいなら出来るはずだけど
 このメールは何かおかしいな?」
出来杉も優等生のくせにオマソコなんて言葉知ってるんだなぁ。
などと変な感心をするのび太であった。

「問題は添付ファイルだ。」
さっきから言ってるけど何なんだろう?
「メール本文にリンクが貼ってあるな。
 たぶんこのパスがそうだろう。」
出来杉がパスをクリックするとブラウザが起動した。
「!!」
二人とも息をのんでしまった。そこには静ちゃんの
全裸写真、いや全裸と言うより大股開きの写真が
最大化されたブラウザのウィンドウいっぱいに
映し出されたのだ。
「こ、こ、こ、な、な、何これぇ!」
出来杉は素早くブラウザを閉じた。
「なんて酷い事を!」
「あ、あれ静ちゃんだよね?」
すると出来杉は首を振った。
「良くできているけど合成写真だよ。
 画像が拡大表示されたからわかったけど
 首の所のディザに違和感があった。」
「合成写真!?」
「おそらくパソコンで作られた物だろうね。
 のび太君。この事は誰にも言っちゃダメだ。
 それから静ちゃんの前では写真の話はしない方がいい。」
「う、うん」


「どんな事をしても犯人を捕まえてやるぞ!
 僕のメアドを使って卑怯な事をした奴を
 僕は許せない!」
出来杉は正義に燃えた目をしていた。
犯人?…犯人!
そう。のび太には犯人の心当たりがあった。
と言うより十中八九間違いないだろう。
あの合成写真を作って送ったのは『う゛にゅう』だ。
しばらく経つと静ちゃんが部屋に戻ってきた。
「静ちゃん。犯人は僕が絶対捕まえてみせる。
 だから心配要らないよ。」
「でも、でも。」
「犯人は限られているからすぐ見つかるさ。」
え?どうして?のび太は吃驚した。
そしてそのままの言葉をを口に出してしまっていた。
「え!?どうしてー?」
「僕のこのメールアドレスはね、静ちゃんしか知らないんだ。
 知らないはずなんだ。それを知っていると言う事は…」
そう言って出来杉はのび太の方を見た。
のび太はギクリとしてしまい、
思わずあらぬ事を口走ってしまった。
「だ、だってその知らないはずのメアドを
 誰かがどこからか探り出して来て
 あたかもそのメールアドレスから出された様に
 細工して悪戯したぐらいの奴だろ?
 そんな奴簡単に見つかるわけないよ!」

静と出来杉はキョトンとした顔をしてのび太を見ている。
まずい。何か疑われるような事言っちゃったかな?
「そう言えばのび太さん昨日の電話で
 やたらパソコンに詳しかったわね。」
「え?そうなのかい?」
二人はのび太の方を見ている。
疑われてる!やばいヤバイヤバイ〜
すると出来杉が言った
「だったらのび太君が…」
ち!違う〜
「のび太君が犯人を捜してくれよ!」
犯人じゃな…え?捜す?
「そうよ!昨日あたしのウサコ見つけてくれたじゃない。
 あんな風にこの犯人も見つけてよ!」

妙な事になってしまった。
とりあえずその場を逃れるために
犯人探しの件を承諾してしまったが
これから一体どうすればいいのだろう?
しかし…
あそこまで状況証拠が整っていて
出来杉が疑われないのは何故だ?
人間一事が万事か。僕だったら真っ先に犯人扱いだ。



家に帰ると銅鑼えもんがPCをいじっていた。
と言うより謎春奈と話をしていた。
人工知能同士気が合うのか凄く楽しそうだ。
あ〜あ。気楽なもんだ。
画面を見るとう゛にゅうは寝ている。
また夜にならないと起きないのだろうか?
のび太の視線に気がついた謎春奈が言った。
「私たちは、ユーザーの健康を考えて
 私たち自身も休息・睡眠をとるように設計されています。
 だから急用がある時は起こしてくださいね。
 クリックすれば起きますから〜」
「あ、うんうん。わかりました。」
「のび太君パソコン使うかい?」
「今日は眠いから昼寝しておくよ。」
「そっか。昨日は宿題で寝不足なんだね。
 今日は宿題無いの?」
「うん。今日はないんだ。」
のび太は嘘をついた。
夜になればう゛にゅうにやってもらえる。
それよりも今は寝て置いて、夜はう゛にゅうを
問いつめなければならない。
その上で今後の行動を決めよう。
しかし宿題をやってもらう事で
すでにう゛にゅうに依存してしまっている自分である事に
まだのび太は気がついていなかった。

夕ご飯を食べて部屋に帰ると早速布団を敷いた。
「もう寝るの?」
「うん、明日遅刻するといけないから。」
「珍しい事もあるもんだね。
 じゃあ僕パソコンいじって良いかい?」
「良いよー」
「もう飽きちゃったの?」
「今日は眠いから。」
そのうち銅鑼えもんも寝るだろう。
そうしたら起き出してパソコンをいじろう。
そう考えていたのだがのび太は本当に寝てしまった。

夜中にのび太はモニタの明かりとスピーカーからの
ささやき声で目が覚めた。
「おい。聞いてんのか?おめぇだよおめぇ。
 そこでアホ面で寝てるおめぇの事だよ。」
「?」
「やっと起きやがったか。この入作さまに
 起こされるなんてお前も果報者だなぁ」
「う゛にゅう?」
「おいおい。今日から入作って読んでくれよ。
 俺様にふさわしい気高いお名前だろ?」
「何言ってんの?」
「昨日お前が寝ちまってから暇になったんで
 webにあるファイルさがしまくってたんだよ。」



「そしたら面白いゲーム見つけてな。
 すっかりハマっちまったって訳よ。」
「君、プログラムのくせにゲームするのかい?」
「へへへ、プレイする訳じゃなくて
 トレースするだけだけどな。面白かったぜぃ。
 嫌がらせってのはああじゃなきゃいけねぇよ。」
「しゃべり方も変わってるんだけど…」
「影響受けやすいからなぁ。」
「一体どんなゲームを?」
「臭作ってのと鬼作ってやつがセットで置いてあったから
 それをやってみたのよ。そしたら俺の鬼畜道なんて
 子供だましだったって事に気がついちまってな。」
「キチクドウ?」
「あの兄弟の哲学に惚れ込んだ俺は静へのメール内容を
 反省して、追い込みをかけるには言葉だけじゃ
 甘いって思ってな。写真も使う事にしたんだよ。」
「そうだ!写真!やっぱりあれは君がやったのか?」
「ククク、我ながら良い出来だったぜ。」
「ちょっと待ってよ!おかげで大変な事になったんだぞ。」
「そうかいそうかい。あっちこっち駆け回って
 小学生の全裸写真を手に入れるのは
 ちょっとした苦労だったからなぁ。それも報われるってもんよ。
 もっとも俺には若すぎるが後二三年もすれば
 立派な肉壺に育って俺の肉棒をくわえ込めるぐらいに
 成長するだろうから今の内に追い込みをかけておくのも…」

「と、とにかくそのしゃべり方止めてよ!」
「そうか?気に入ってるんだがな?」
「それに追い込みって、静ちゃん追い込んでどうするの?」
「当然その後は肉奴隷さ。だが俺には残念ながら肉棒が
 備わって居ねぇから実際のプレイはあんたに任せるよ。」
「あー何言ってるんだよ。まともに喋ってよ!」
「バカ!大声出すなヨ。コロヌゾ!」
「ご、ごめんごめん。あ、でも戻ってくれたね。」
「しょうがねぇダロ。オレも飽きてきてたし。」
「それでどうするんだよ?大変な事になったんだぞ!」
のび太は今日の出来事をう゛にゅうに話した。
「ふーん。あの出来杉って奴は信用されてるんだな。」
「僕は犯人見つけなきゃいけないんだぞ。」
「ナンデ?」
「え?」
「だからナンデ?」
「だって頼まれたし…」
「見つからないって言えばいいジャン。」
「そ、それで?」
「そのうち忘れるYO!」
「そーかなー?」
「大丈夫だって。人間には絶対に見つけられないしナ。」
「そ、そっかー。」
「ヨシ!じゃあ今日は何して遊ぶ?」
「えへへ。何しようか?あ、その前に宿題を…」
「任せとけ。ケケケ」



宿題をやってもらった後さっき話していた
『臭作』ってゲームをやってみる事にした。
「わー凄く綺麗な絵だね。」
「ポリゴンなんて疑似3Dじゃなくて
 エロゲーの醍醐味はやっぱり2Dだよな。
 シナリオがイカスんだよ。勉強になるぜ。」
「どんなゲームなの?」
「女の部屋とか便所とか風呂とか盗撮して
 それをネタに脅すゲームだ。奥が深い。イイ!」
「ふ〜ん…って!裸とか出てくるの!?」
「大声出すなって。エロゲーはダメか?」
「ち、ちょっとだけやってみようかな?」
「そう来なくっちゃ。いつも静ちゃんの
 風呂覗いてるんだ。今更ゲームぐらい。」
「何でその事を!?」
「テントウムシコミックス。」
その時押入の襖が開いた。
「ムニャムニャ何騒いでるんだい?」
「ど、銅鑼えもん!」

銅鑼えもんはPCの画面を見て凍り付いてしまった。
エロゲー!?いやその前に何故そんな物が
このPCに?まさかwarezを落としてきたんじゃ…

「一体どういう事?」
「ナニガ?」
「う゛にゅう君が違法ファイルを集めてきたの?」
「違法ファイル?」
「このゲームとかフォトショップとかだよ!」
「そうだYO。」
「なんて事するんだよ!犯罪じゃないか!」
「ナニガ?」
「web上に勝手にアップされているファイルを
 落として使ったら犯罪だって事ぐらい
 君だって知っているだろ。」
「犯罪じゃないYO!」
「はぁ?」
「まだ捕まった奴なんて居ないし、
 UPした奴が悪いだけで落としても
 犯罪じゃないYO!」
「そ、それにしたって使用許諾に同意して
 インストールしたんだろ?違法行為だよ!」
「そんな物読んでないモナー」
「そんなぁ」
「さて、ここで問題です。PC初心者のオッサンが
 ファイルを落としてきて解凍したら
 ソフトをインストールしてある状態のフォルダの
 コピーでした。オッサンはフリーソフトだと思って
 使い続けています。これは違法でしょうか?」



「確かに違法性は立証できないけど…」
「ピンポーン正解です〜」
「だからと言って違法ファイルは落としちゃダメだよ!」
「ナンデ?」
「それを作った人たちはそれを買ってもらって
 お金をもらって生活してるんだよ!
 みんなが落として買わなくなったら大変だろ?」
「ブブー。落とせなかったらやりません。
 つまり買ってまでは使いません。
 落とせたから使っているだけDEATH!
 最初から買う予定の物ではないので会社的にも
 社会的にも損失はありませんのでご安心ください。」
「それは、そうかも知れないけど…」
「違法コピーの蔓延によって潰れた会社はありません。
 違法コピーが出回っているから自社の製品が
 売れないと思っているのは単なる逆恨みです。
 例を挙げると一太郎やATOKで有名なジャストシステムは
 何年か前にコピーによって経営困難だと発表しましたが
 同社は現在も営業中です。
 この場合のコピーは会社ぐるみなどでの話だと思われますが。」
「……」
「逆に言えば必要な人間は落として使ったりはしていません。
 ちゃんと買ってます。だからこそソフト会社は
 存続していけてます。みんな意外とソフト買ってるんですよ。」

「だから仕事で使ったりそのソフトによって利益を上げている
 人や会社は素直にソフト買わないといけないと思うYO!
 ACCSもバシバシ取り締まって欲しいナ。」
「それじゃあ営利目的に使えないゲームとかアプリの立場は?」
「じゃあ逆に聞きますけどクソゲーとか使えないアプリを
 金払って掴まされて返品の効かない哀れなユーザーを
 どう思います?泣き寝入りですよ?」
「それはきちんと買えばユーザーサポートしてくれるし
 ゲーム面白い面白くないは主観の問題だから…」
「ユーザーサポートねぇ。大して役に立たねぇYO。
 主観の問題外なゲームソフトも多いしナ。」
「問題のすり替えだよ!体験版だってあるんだし!」
「それで使えないソフトだってわかったらアンインストール
 するのかい?OSは汚れるばかりだな。」
「しょうがないじゃないか。それはOSの方にも問題が…」
「アメリカじゃ、クソゲーは返品が認められている所が
 多いんだよ。コンシューマでモナ。
 中古禁止する前にそんな制度を作るべきだロ?」
「warezとは関係ないじゃないか!」
「関係有るね!ソフト業界は腐りきってるんだよ。
 大体著作権法なんて何年前のシロモノ何だぁ?
 死後50年で著作権フリー?情報の加速化が進んでる
 この時代に50年?


 せめて死後5年程度にするべきだろうナ。
 しかしそれは音楽・映像・文章の話。
 プログラムはもっと早くに著作権を放棄すべきだYO!
 発表、発売から5年、10年とかナ。」
「それじゃ利益が…」
「バージョンアップ、機能改定したら新しい著作権を
 保持しても良いんじゃないの?
 もっとも企業が先にたって
 著作権を放棄するべきなんだろうけどナ。
 何年も前のアプリとかゲームなんか開放しても言いと思うゼ?
 PC、コンピュータの歴史は情報の開放から始まってるんだ。
 もっとも最初のころはハカが無理やり開放してたけどナ。」
「無理があると思うけど…」
「じゃあちょっと未来の話をしてやるYO!
 未来と言ってもアンタが生まれる前の話だけどな。
 これから発売されるWinXP。オンラインでの認証が必要だ。
 大名商売ならではの強引さだよナ。
 マイクソは今までの数倍、数十倍の売上と利益を期待していた。
 ところが売れなかったんだよ。それほどナ。
 みんな必要ないと思ったのさ。金出すぐらいなら
 今までのOSで十分だってな。
 焦ったマイクソはサードパーティにXPにしか対応していない
 新アプリを次々と発表させた。これも強引にナ。
 ところがそれでもXPは売れない。なぜか。
 今度はクラクが出回っちまったのサ。

怒ったゲイシは今後XP対応ソフトは正規商品コードが
 ないOSにはインスト出来ない仕様にすると発表。
 そしたらXP対応アプリも全然売れなかった。
 マイクソはあえなく撃沈。サードパーティも離散。
 ウィソテル陣営は窮地に立ったよ。イソテルもアスロンの台頭で
 あんまり力もなくなってきていたしナ。」
「ちゃんとした企業はソフトちゃんと買っているはずだろう?」
「ちゃんとした企業なんて一握りなのサ。
 日本に限っていえば、中小企業の割合は98%以上だからナ
 中小企業がおいそれとソフトを何本も
 購入できるわけ無いだろう?
 とにかくそうやってPCバブルは崩壊したのサ。
 マイクソは個人の趣味ユーザーの購買力をなめすぎた。
 趣味ユーザがPC離れをし始めた。
 家電の情報機器化も拍車をかけたしナ。」
「でもPC離れをしたのは今まで買っていなかった層じゃ?」
「あんたwarezを扱ってるやつがみんなそんなに
 パワーワレザーだと思ってるのかい?
 手に入らなければ買うやつも居る。
 本格的にはじめようと思えばユーザー登録もしたい。
 warezも体験版みたいな物なのさ。」
「使えれば正規品は買わないんじゃ?高いんだし。」
「すべてがFULLで落ちているわけじゃないんだぞ。」


「でも買わないやつがほとんどだろう?
 ゲームなんかはやったらもう買わないだろう?」
「だから最初に言ったように落とすようなやつは
 最初から買わないようなやつが殆どなんだYO!」
「どうも納得できないな〜」
「ワレザーだってハードは買う。
 すべてバルクで揃えてるやつなんてそんなに居ないYO
 リテールで買えばソフトもバンドルされてくる。
 そこにはきちんとお金が支払われてる。
 だけどPCバブルが崩壊したらハードも買われない。
 ソフトが手に入らないんじゃ無意味なスペックだからナ。
 PC産業は停滞。時代はお手軽な情報『家電』に
 移行したんだYO!」
「だからと言って君たちが違法ファイルを落としても
 良いって事じゃないだろ?」
「良いんだヨ。落ちてる物は拾うんだヨ!」
「みんながソフトを買えばソフトの代金は安くなるだろ。
 プロテクトだってかけなくて良くなる。
 全部コピーが原因じゃないか!」
「アンタ、沢山売れれば安くなるなんて本気で考えてんのカ?
 DOCOMOって知ってるよな。死ぬほど儲けてる。
 国民が平均一万円ずつ上納してるんだぜ?
 たかが電話代にだ。だけど料金は安くならない。
 安くなってるのは普及とユーザー拡大のための
 加入料と電話機本体だけだYO!企業なんてそんな物さ。」

「携帯電話だってソフト開発だって経費はかかるだろ!
 それがペイされるまでは高いはずじゃないか。」
「じゃあペイできないから写真屋はいつまでも高いのカイ?」
「…そうなんだろ、きっと。」
「違うね。あれは只のステータス。
 あんな暴利な値段でも買うバカユーザが沢山居るから
 ソフトの値段は落ちないんだYO!」
「屁理屈だよ!」
「負けを認めたって事で良いカイ(ワラ」
コノヤロウ!明らかに間違ってるのは向こうなのに
なんで言い負けるんだ?そうか!
あいつには世界中のデータが味方してるんだもんなぁ。
しかもタスクに常駐してるのは『タイムプロキシ』じゃないか
過去未来あらゆるデータを駆使して論争してるんだ。
勝ち目がある訳無いじゃないか。
それにあいつの話聞いてたらwarezも悪くない気がしてきた。
つか、捕まらないんなら何の問題もないよなぁ?
道義上の問題もあいつの口八丁で誤魔化されたし。
「わかったよ。でも程々にしてくれよ?
 教育係として叱られちゃうし、俺の査定もあるから…」
「査定の事なら心配ないよ。ククク」
「なんで? あ、それとエロゲーも勘弁して!」
「小学館じゃさすがにマズイか?ヒヒヒ」


それから3人でディアブロをやった。う゛にゅうが
「アイツ、スネ夫ってやつUOでイヤな目にあったからって
 昔やりこんでキャラが育ってるディアブロやってるぞ。
 この間の腹いせなのかPKしまくってるヨ」
などと言うのでディアブロをやる事にした。
今度はスネ夫もチートアイテムなんか持ってて
ライトニングを発射しまくってきたけど
どんどん追いつめて爆笑しながらぶち殺してやった。
耳を取り上げて今度スネ夫にキャプチャ画像を
送ってやろうって話になった。
銅鑼えもんもいつも嫌がらせされているのだから
そのぐらいはやってヨシ!と乗り気だった。
その後、明日学校もある事だし寝る事にした。

次の日学校へ行くと静ちゃんは浮かない顔をしている物の
ちゃんと登校していた。良かった良かった。
だがジャイアンの機嫌が非常に悪かった。
授業中もスネ夫の方をズーッとにらみつけている。
何かあったのだろうか?
休み時間になるとスネ夫がのび太の所へ来て
相談があると言った。何なのだろう?

「昨日ジャイアンにノートパソコンを取り上げられた。」
「ええ?大変だね。でもいつもの事じゃないか。」
「それだけじゃないんだよ!」


「昨日ジャイアンが俺にもUOやらせろって
 家に遊びに来たんだ。僕の話を聞いてたんだよ。
 僕は自分のキャラをいじられるのがイヤだったから
 ノートパソコンに入れてあったディアブロを
 やらせたんだよ。そしたら気に入って
 しばらく家でPKしまくっていたんだけど
 『借りていくぞ!』って持って帰っちゃったんだ!」
「持って帰ったって、ジャイアンの家には
 黒電話しかないだろう?NETなんか出来ないじゃないか?」
「それがノートに刺さっていたp-inまで持っていったんだよ!
 ジャイアンの事だからズーッと繋ぎっぱなしだよ。
 電話代が…それは良いとしても、今日文句を言われたんだ。」
「何を言われたの?」
「『お前が強いって言っていた杖めちゃくちゃ弱かったぞ!
  おかげで殺された!お前俺にPC奪われた腹いせにGAMEで
  復讐したんだろ!後でギッタギタにしてやるからな!』」
「ええ〜?酷いなぁ。」
「だろだろ?」
「でも何で僕に?」
「のび太、銅鑼えもんに頼んでPC手に入れたんだろ?
 静ちゃんにも色々聞いたんだ。お前が詳しいって。
 現にディアブロがNETゲームだって知っていたじゃないか。」
「あ。」
「だから、何とか僕がPKの犯人じゃないって証明して欲しいんだ!」
困ったなぁ。今度こそ犯人僕だし。つかどうしよう?


のび太は犯人探しの件を了承してしまった。
「証明してくれたら最新のゲームあげるから!」
この言葉に釣られてしまったのだ。
だけどよく考えてみたらゲームなんて
いくらでも手にはいるじゃないか。
でも、あそこで断ったらまた意地悪されそうだし。
ジャイアンに向かって「のび太が犯人です」とか
言われかねない。濡れ衣を着せられたらたまらないもんなぁ。
あ、僕が犯人なんだった。

家に帰ると銅鑼えもんはごろごろ寝ていた。
こんな時に気楽なもんだなぁ。
「銅鑼えもん!起きてよ!ねぇ!」
「ムニャムニャもう食べられないよ〜」
「わ!ネズミ!」
銅鑼えもんは跳ね起きた。

全くこのメガネ消防ガキャア!
スモールライトで10の22乗ミクロンまで縮めて下水に流すぞ!ア゛ン?
のび太に事の次第を説明されている間も
寝不足でまだ夢うつつであったが聞いている内に
自分にも責任があるような気がしてきたので
相談に乗ってやる事にした。だが一番責任が重いのは
う゛にゅうの筈。とりあえずPCの電源をつける事にした。
すると謎春奈が突然言った。
「大変ですぅ!う゛にゅうが居ないんです〜!」


「えええ?」
「起きてみたらう゛にゅうがいないんですぅ。」
「それはあり得ない事なの?」
「あたし達は別々の思考ルーチンを持っていますけど
 蓄積されるデータなんかは同じ物なのです。
 なのにここの所う゛にゅうのデータがlogに
 残っていないなと思ったんです。
 でもう゛にゅうは寝てばかり居ますし
 そのせいかとも思ったのですが。」
「じゃあう゛にゅうは記憶を全部捨てていったの?」
「わかりません。こんな事始めてなので。
 幸いタイムプロキシがレジストされていたので
 未来の掲示板などを確かめてみたんですけど
 そんな症状が現れたのは初めてみたいですぅ。」
「でも君が一人で居て平気って事は
 う゛にゅうだって一人で出歩けるって事だろ?」
「ダメなんです。う゛にゅうからのデータの蓄積がないと
 あたしはどんどん狂っていってしまいます。
 それはう゛にゅうも同じ筈ですぅ。
 あたし達は表裏一体なんですよ〜」
「アハハ。何だかいやらしいね。」
「のび太君は黙ってな。」
「とりあえずこのPCの中をあたし捜してみます。」
「うん。頼むよ。僕らには何も出来そうにないし。」

二人で為す術もなくモニタを見つめていると
お母さんが部屋へやってきた。
「宿題なら今日はないよ!」
「違うわよ剛田さんが来たの。」
「ええ!?ジャイアンが?何しに来たんだろう?
 まさか昨日の事がもうばれたんじゃ?」
「まさか!ジャイアンにそんなスキルある訳ないだろ。」
「でも銅鑼えもん、怖いよ。どうしよう?」
「勝手にあがらせてもらったぞ!」
「わ〜!ジャイアン!」
「やっぱりパソコンがあるんだな。静ちゃんに聞いた通りだ。」
「違うんだジャイアン!僕はジャイアンだと知らずに…」
「何言ってるんだお前?」
「へ?じゃあ何しに来たの?」
「実はな…」
ジャイアンの話はこうであった。
スネ夫のパソコンを借りてネットサーフなどしていると
自分で作った音楽や絵をホームページで発表している奴が
沢山居る。中には歌まで吹き込んでいる奴もいる。
俺も自分のホームページを作って自分の歌を発表したい!
ジャイ子にも漫画を発表させてやりたい!
そこでそれを手伝って欲しいとスネ夫の家に行ったら
塾に出かけていて居ない。その帰り静ちゃんに出会って
話をしたら、のび太が詳しいって聞いたらしい。


「困ったなぁ…」
銅鑼えもんは頭を抱えた。う゛にゅうはまだしも
謎春奈も居ない。こんな状態ではジャイアンの

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