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カツオ「カッツオwwwカッツオwww」 アニメキャラの体験談

1:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/01(木)23:51:32ID:YZF6Jg7gO

カツオ「カッツオwwwカッツオwww」ピクピク



ワカメ「なにあれ」



汰裸汚「気持ち悪いでぇすぅ」





マスオ(カツオくん……君の病はきっと僕が治してみせる!)





2:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/01(木)23:58:33ID:YZF6Jg7gO

カツオが奇妙な痙攣を始めたのは、三日前のことである。



最初は皆、カツオのいつもの悪ふざけだと思った。しかし、波平のパイルドライバーをくらっても痙攣をやめないカツオに、家族はすぐに考えを改めた。

次に、皆はカツオがアナルにバイブでも挿れてるのだと思った。

フネが「大概にしなさいよ、カツオ」とやんわり声をかけただけで、それからつい先ほどまで痙攣するカツオは放置されていた。



しかし、つい先ほどカツオは奇声を発し始めた。

そこでついにマスオは気づいたのだ。



マスオ(嗚呼、カツヲくんは精神をやられたのだ)



義弟の病を治すため……

マスオはアメリカへ飛んだ。





3:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)00:06:51ID:4bqx43.IO

マスオ「なんということだろう!流石メリケンだ!至る所に英語が書かれている!」



マスオはしばし唖然とすると、外套の内ポケットから煙管を取り出しくわえた。

行き交う異国民の視線をかわすかのように山高帽を目深に被ると、マスオは石畳の上を歩き出した。

ステツキが石畳を叩くカツカツといふ音は、数分でやんだ。



マスオ「あゝ此処だ」



ギイと軋んだ音を鳴らす木戸を開け、マスオは医院の中へと入っていった。







5:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)00:18:51ID:4bqx43.IO

医者「成る程。それは君、宜しくないよ」



口髭を蓄えた赤毛の医師は、恰幅の良い腹の前で両腕を組み、そう云った。



マスオ「フェータルなものですか」



医者「いいや、違う」



マスオの問いかけに、彼でもわかるような間延びした英語で答えると、医師は首を振った。



マスオ「フェータルでないのなら、何がまずいのでしょう?」



医者「君が認めまいとも、私が認めまいとも……世界がどう云おうともね、君、義弟くんは健康この上ない」



マスオ「貴方の云うことはわかりませんね。義弟は健康なら、私はここに何をしに来たのか」



医者「君が何をしようと勝手でさ。この街のどの医者に聞いてもそう答えるだろうね。それでもなんなら、アスピリンでも出そうか」



マスオ「このやぶ医者め!」



マスオはステツキを医師の赤い鼻先に突きつけると、大股で医院から出ていった。





6:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)00:29:27ID:4bqx43.IO

マスオ「いったいこの国は、どうしてこうも苛立たせるのだ!」



今や山高帽を手に握り、頭から湯気を出しながらマスオは煉瓦の壁をステツキで乱暴に打ちつけた。

ようやく少し気を落ち着けたマスオが振り返ると、唇の厚い男の顔があった。

同僚の穴子である。



穴子「君はいったいどうしたのだい。どうにも穏やかではないがね」



マスオ「穏やかではないって!ああそうだ、この国の連中が穏やかなら、僕はいつでも穏やかじゃあいられないね!」



穴子「落ち着きたまえよ、フグ田くん。君はどうかしているぜ」



穴子の言葉にマスオは顔を紅くした。

山高帽を被り直し、外套のポケツトの中でもせわしなく指を交差させた。





7:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)00:45:07ID:4bqx43.IO

穴子「成る程。カツオくんがね。ところで君はこの国の医者を嫌いになったかい?」



カフェに移動しアメリカンを一口啜ると、穴子は矢庭にそう云った。

マスオは黙って首を振る。



マスオ「実際、僕が全くもって無謬であったことは明らかだ」



穴子「そうかね」



マスオ「しかしだね。僕は詩人と話をしに来たわけじゃあない。君の云うところのこの国の医者たちは、賢くも愚かしい」



穴子「或いは、そうだろう」



穴子の厚い唇がまたアメリカンに触れる。

マスオは大袈裟に肩を竦めると、外套の袖を少しまくり、冷めた珈琲に口をつけた。





8:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)00:47:52ID:l1fDyuHY0

あのう、頭大丈夫ですか?





9:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)01:16:32ID:4bqx43.IO

マスオ「君は気づいていないかもしれないがね」



丸眼鏡を押し上げると、少し紅潮した顔でマスオは云った。



マスオ「これは陰謀なんだ」



穴子「陰謀?」



マスオ「この世界……君と僕を除いた皆が、カツオくんのやうに気を違えてるんだ。いや、或いは君も、だがね」



穴子「僕は君と同じさ」



マスオ「どうだろうね。とにかく、奴等はみんな気を違えている。あの口髭の医者だって、そこの陽気な老人もさ。だからカツオくんを健康だなんていえるのさ」



マスオの話を聞き終えてから、穴子はゆっくりと首を振った。



穴子「まったく。君には呆れるね」



マスオ「何がだい?」



穴子「君のその名推理にはね、スコットランド・ヤードだってとっくに気づいている。ついぞその陰謀を止めることは叶わなかったがね」



マスオ「なんだって!そうだとして、どうして君がそれを知っているんだい?」



仰天するマスオの前に、手帳を持った穴子の手が差し出された。

偽物ではないだろう。



マスオ「すると、しかし僕の知っている商社の君はどうなるんだい?それに、ここは英国ではなく米国だぜ?」



穴子「僕は君の目の前にばかり居るわけじゃあないんだよ。そういうことだ」





12:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)08:39:45ID:4bqx43.IO

マスオ「いったい、君が本当に警官ならだがね……スコットランド・ヤードはアメリカまで来て何をやっているんだい?」



穴子「君、明らかにね」



楽しげに穴子が云う。

その指は卓上でくるくると回っていた。



穴子「君の家の外から僕が君を怒鳴りつけることは簡単だが、君を殴ろうとでも思えばね、僕は鍵を開けドアを抜けねばならんのだよ」



マスオ「では結局、このアメリカでは英国警察には何が出来ると云うんだい?」



穴子「差し当たって、君と珈琲を飲むくらいかな」



忌々し気にため息をつくと、穴子は一言「出よう」と云った。

マスオもそれにはまったく異存はなかったので、雛鳥の様に彼に従って店を出た。



マスオ「まさか、店を出て家に帰るわけじゃあるまい?」

穴子「まさか!この先に良い店がある――ちょっとしたビール酒場なんだがね、君、そこに行かないか」



マスオ「あゞ構わないよ」



穴子「キャブ(辻馬車)でも呼ぼうじゃないか……おい、君!」



穴子が声をかけると二輪馬車がガタゴトと道をやってきた。

マスオは山高帽を少し下げると、無言で馬車に乗り込むのであった。





13:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)08:53:54ID:4bqx43.IO

一方その頃、磯野家ではカツオの解体ショーを終え、タラヲは焼酎を飲みながらニコニコ動画を閲覧していた。



タラヲ「時報UZEEEE!ですぅ」



キーボードを叩き割ると、ディスプレイに唾を吐きかける。

タラヲはご機嫌であった。



栄螺「タラちゃん、夕飯はライスカレーよ」



タラヲ「黒毛和牛のステーキがいいでぇすぅ!」



ワカメ「ワッカメwwwワッカメwww」







15:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)12:08:40ID:4bqx43.IO

薄暗い照明の中で安いビールを飲みながら、マスオは暗澹たる気持ちであった。

滔々と燃えるランプの火を見て、小さく溜め息をつく。



マスオ「いったいこの壮大な陰謀は、何なのだろうね」



穴子「仕方のないことさ」



マスオ「仕方ないだって!君はスコットランド・ヤードの人間なんだろう?」



穴子「そうだ。けど残念なことに此処はイギリスではなくてね」



マスオ「もしどうにも出来ないというのなら、僕らも気を違えて彼方に行くべきなのかもしれない!」



穴子「おいおい!君まで!僕はね、英国警察の人間として、君をアナーキーな連中の仲間には出来ないよ」



穴子の言葉に、マスオは丸眼鏡を押し上げすぐに俯き、「あゞ」とつぶやいた。

それから、苦いビールを一息に飲み干す。



マスオ「結局のところ、僕には丸善の棚にちょいと檸檬を置くことしか出来んのだ。まったくいよいよ、情けないことだ」





16:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)12:21:18ID:4bqx43.IO

穴子「君に一つ謝らなければならないことがあるんだ」



躊躇いがちに穴子が口を開いた。

この男の豪快な唇が躊躇うのだから、余程のことであろう。

マスオは身を乗り出した。



穴子「英国はこの陰謀に、仔羊の様に震えてしまった。飛び火をしないように、くすぶりは消さねばならん」



マスオ「話が見えないな。どういうことだい?」



穴子「君の義妹のワカメちゃんも発症した。君もいずれかは」



たっぷり一分は考えてから、マスオは穴子を睨みつけた。

そして口を開く。



マスオ「僕を殺すのかい?」



穴子「仕方がない」



マスオ「やめておきたまえ。僕のステツキには刃が仕込んであるんだ」



穴子「こちらには、ピストルがある――だが今すぐではない」



マスオ「そうかい。なら僕は帰らせていただくよ」



マスオは立ち上がると、ドル紙幣を何枚か灰皿の下に滑らせ、店を出た。

ニューヨークの朝靄がマスオの身体を包んでいった。







18:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)18:17:47ID:4bqx43.IO

マスオは外套の中に四肢を縮こませるようにして、日本行きの船を待った。

刃の仕込まれたステツキは片時も離さず、脚の悪い老人のやうに持っていた。

海を覆った靄の中から、大きな影が近づいてくる。



マスオ(あゞやっと来た)



マスオは細く息を吐き出すと、ようやく自分のみっともない風体を正した。

外套の襟を立て、埃を叩く。

山高帽を被り直し眼鏡を上げてなんとか紳士の形を取り戻すと、ステツキを突きながら船着き場へと歩いた。





――パン





乾いた音が鳴り響く。

マスオは小さく呻くと、目線を下げて脇腹を見た。

離れかけた意識に手を伸ばしながら、マスオは最後に朝焼けの空を見た。

気が違う前に生命を失うことは、幸か不幸か。



マスオ(これこそ神の散文だろう)



持ち手を失ったステツキが「カラン」と転がる音を、マスオが聴くことは無かった。







20:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)20:41:04ID:4bqx43.IO

その頃磯野家では――



栄螺「タラちゃーん、晩御飯出来たわよー」



タラヲ「僕はタラヲじゃないでぇす。タラヲじゃなくてファラオですー」



栄螺「なに言ってるのよ。ちゃんと拾ったとき名札に『タラヲ』って書いてあったわよ。ねぇ父さん?」



波平「左YOU!」



タラヲ「なん……だと……僕はパパとママの子じゃないですか?」



栄螺「そうよ、分をわきまえなさいこの糞餓鬼が」



ワカメ「ワケワッカメwww」





21:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/02(金)20:42:40ID:4bqx43.IO

【マスオ編完】







23:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)10:18:34ID:UuGMF0jQO

【第二章フグ田タラヲ】



タラヲ(パパは死んだでぇすぅ……いや、正確にはパパじゃないですが)



不自然な狂気の中でタラヲは考えてゐた。

カツオ叔父からワカメ叔母へと続いた狂気の伝染に、母……いや養母も養祖父母も気づいてはいなかった。

気づいたのは死んだ養父であるマスオだけだ。マスオが気づいたのは恐らく血縁がない故だろう。

ならば、拾い子である自分にもその可能性が与えられていると考えて然るべきである。



タラヲ(そもそも磯野家直系の連中と僕じゃ、教養が違うですぅ)





24:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)10:35:46ID:UuGMF0jQO

タラヲ(内部との交渉は危険です……まずはマスオ養父さんの周辺の人間にコンタクトをとるでぇす)



タラヲは他の家族が寝ている時間帯を見計らい、マスオの背広から入手した手帳を元に、彼の同僚の穴子に電話をかけた。

コール数回で相手が出た。



穴子『もしもし?』



タラヲ「こんばんはでぇす」



穴子『……タラちゃんかい?』



タラヲ「そうでぇす。穴子さんに聞きたいことがあるです」



穴子『ひょっとして、パパのこと?』



タラヲ「……それと、カツオお兄ちゃんのこともです」



穴子『…………』



タラオ「何か知ってるですね?」



穴子『……わかった。会って話そうか』







26:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)11:31:29ID:UuGMF0jQO

タラヲ「ここが新美婦公園ですか……待ち合わせはここのはずで」



――パン



乾いた音が鳴り響く。

タラヲの小さな身体に穴があき、彼の身体を公園の砂場に横たえた。

公園のトイレから、穴子が現れた。

その手にはまだ煙を吐いているピストルが握られていた。



タラヲ「ば、馬鹿なことはやめるです……僕の三輪車には刃が仕込んであるです」



穴子「君こそ、ね」



黙ってタラヲのこめかみに銃口を突きつけると、穴子は云った。

タラヲは彫像の騎士のように身を固め、黙って穴子を見上げた。



穴子「君は子供で、私は大人だ。それに三輪車とピストルじゃ話にもならんね……ねぇ君、君が死ぬのは自明なことじゃあないかね?」



タラヲ「僕は磯野家と繋がりはないですぅ!パパとママの子じゃない……拾い子です。何で僕を殺すですか?」



穴子「まったくもってその通りだね。しかし、とにかく、私は君を殺さねばならんし、君が呪うべきは自分の愚かさじゃないかね?私も受話器越しでは君にピストルを突きつけられやしないのだからね」



穴子の指が引き金にかかる。

タラヲはこの胸糞の悪いスペクタクルズの終焉に小さな溜息を漏らした。ついでに尿も漏らした。

穴子の指が引き金を引くまでの数秒は蝸牛の歩みのようにゆっくりと流れた。



タラヲ(――もっと出番が欲しかったでぇす)



再び響いた乾いた音を聞くまでもなく、タラヲの生命は神か――或いは深い闇へと還っていった。





27:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)11:38:08ID:UuGMF0jQO

その頃、伊佐阪家では――



浮え「ウッキエwwwウッキエwww」



甚六「浮え……これはこれで」ハァハァ



難物「これはイササカ困ったことになりましたな」





28:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)11:39:02ID:UuGMF0jQO

【タラヲ編完】





29:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)16:18:57ID:UuGMF0jQO

【第三章波野ノリスケ】



ノリスケ「伯父さんの家を、ですか?」



編集長からの命に、ノリスケは素っ頓狂な声を上げた。

呼び出されたときは、てっきり担当している伊佐阪難物の締め切りに関してだと思った。

しかし、彼が受けた命とは「磯野家を探れ」というものだった。



編集長「磯野波平は君の親類だね?」



ノリスケ「はい。伯父にあたります」



編集長「では、最近磯野家に起こった不幸を知っているね」



ノリスケ「マスオさんと……タラちゃんのことですね」



編集長「そうだ。フグ田マスオはニューヨークで、その息子タラヲは近所の公園で射殺されている……あの家には何かある」

ノリスケ「そんな、身内を記事にするなんて……!」



編集長「――波野くん、君には確か奥さんと小さな息子さんが居たね。世の中景気も悪い……ここらで一つ特ダネでも拾わんことには、会社にいるのも危ういとは思わんかね?」







31:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)16:27:03ID:UuGMF0jQO

ノリスケ(参ったなあ、やはり断るべきだったか)



保身と報酬ボーナスに釣られ首を縦に振ったノリスケだったが、やはり気分のいい仕事ではない。

磯野家とは昔から仲は良かったし、波平伯父やマスオとはしばしば飲みに行った仲である。

しばしサンチマンタリスムに浸るノリスケであったが、やがて鹿撃ち帽を被り直し歩みを速めた。



ノリスケ(受けた以上はやるしかあるまい)



丸顔のなだらかな顎を一撫ですると、いつものような腑抜けた顔を取り繕い、ノリスケは磯野家の門を叩いた。





32:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)21:23:22ID:UuGMF0jQO

ノリスケ「いやあ、今日あたり美味しいものでも食べてるんじゃないかなーと思いましてww」



図々しく軽口を叩きながらノリスケが居間に入ると、波平伯父の禿頭が見えた。

眉を顰めて此方を見るその顔を見て、ノリスケは「いつも通りだ」と安堵した。

これならマスオやタラヲの死を気遣い愁傷な態度をとるより、軽薄な体でいったほうが良いかもしれない。



波平「まったくおまえは変わらんな」



ノリスケ「いやあ、ははは」



サザヱ「予想が外れて残念でした、今晩は焼き魚でーす」



台所から出て来たサザヱが盆に乗せられたら焼き魚と、徳利を持ってくる。フネはまだ台所で次の酒に燗をしているようだ。

波平が早速お猪口に酒を注ぎ始めた。



ノリスケ「いやあ伯父さん、せっかくですから僕が注ぎましょう」



波平「お、そうか?すまんなぁ……どうだノリスケ、おまえも一献」



ノリスケ(マスオさんが死んで、飲み相手がいないのだろう)



ノリスケ「あ、いただきます!」



フネ「ノリスケさんあまり飲み過ぎちゃ駄目よ、タイ子さんやイクラちゃんが待ってるでしょう?」



波平「まぁまぁ母さん、いいじゃないか」



何も変わりはない磯野家の日常だ。

ノリスケは笑顔で、注がれた酒を飲み干した。





33:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)21:38:33ID:UuGMF0jQO

ノリスケ(おかしい)



ノリスケは酒が回り少し熱くなった頬に少し触れてから、そう思った。

実に気分良く飲めている。

だが、それが問題なのだ。

磯野家に来ると必ずカツオ・ワカメの兄妹が出てくる。ノリスケは彼ら兄妹の間ではケチで通っているようなので土産は期待されていないが、従兄の来訪に無関心なほど薄情な連中ではないだろう。



ノリスケ「あの、伯父さん。カツオくんとワカメちゃんは?」



波平「ああ……」



このとき、初めて波平の目が狂気の色を帯びた。

何かを見つめるように虚空に投げかけられた波平の視線に、ノリスケの酔いは一辺に冷めた。

ノリスケは波平伯父の次の言葉を待ったが、彼はまた笑顔に戻って酒を飲むだけで、子供たちについては語らなかった。

サザエもフネも、何も言わない。



ノリスケ(いったいどうしたと云うのだ)



困惑するノリスケの目が衰弱した一匹の猫を捉えた。

タマだ――エサをもらってないのか、酷く痩せている。

ノリスケは卓上の魚をつまみ上げると、それを手にタマへと近づいた。



ノリスケ「ほら、お食べ。……なあタマ、カツオくんたちはどうしたんだい?」



魚に食らいつくタマの頭を撫でながら、ノリスケは尋ねた。

波平伯父たちに向けた背中が妙に冷たく感じられる。

魚を平らげたタマは、少し生気の戻った目でノリスケを見上げると、案内をするように歩き出した。







35:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)21:48:33ID:UuGMF0jQO

ニャー、と一鳴きしてタマは立ち止まった。

その場所は別段変わった場所でもない、カツオとワカメの部屋の前だった。



ノリスケ「ここかい?」



尋ねるが、タマは黙って部屋を見ているだけだ。

部屋に入ろうと戸に近づいて、ノリスケは異常を察知した。

まず、酷く臭い。

そして、戸の周りには埃が積もり、早い話が近々開けられたら形跡がなかった。



「………ッ……メ……」



中から掠れたような声がする。

それに、何かを掻くようなカリカリという音。

ノリスケは少しだけ戸を開き、中を覗き込んで目を見開いた。



暗い部屋の中で痩せた骸骨のようなシルエットが床を掻きながら呻いていた。

「ワッ……カメ……www」

ほとんど掠れて声になっていないのに、それでもまだそう云いながら、涎を垂らしたその口元は確かに笑っていた。



ノリスケは戸を静かに閉めた。





36:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)22:46:21ID:UuGMF0jQO

ノリスケ(あれは、ワカメちゃんだった)



震える呼吸を整え、ノリスケはその場に座り込んだ。

タマの悲しげな瞳が部屋へ向いている。

ワカメは狂ってしまったのだ!

それからすぐに、ノリスケはもう一人の少年に思いを巡らせた。

ワカメが狂い、タラヲは死んだ。

ではカツオは……



ノリスケ「タマ……カツオくんは?」



ノリスケの問いかけに、再びタマが歩き出す。

今度は庭の前で立ち止まり、悲しげにタマが鳴く。

庭の木の下に、一カ所だけ土の色が違う場所があった。

たまらずノリスケは目を覆った。









38:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)22:59:01ID:UuGMF0jQO

ノリスケ「すみません、伯父さん……今日はそろそろお暇します」



居間に戻るとノリスケはやや裏返った声でそう告げた。

此処に居ると、自分の精神まで蝕まれるように感じたのだ。

ノリスケの言葉に、波平伯父は相変わらずの笑顔で「そうか」とだけ云い、またお猪口に口をつける。

ノリスケは素早く外套を羽織ると、鹿撃ち帽を頭に被り、会釈をして家を飛び出た。



荒く息をつきながら磯野家を振り返ると、ゴミ捨て場に見慣れたものを見つける。

マンドリン、ステツキ、絵本、それに三輪車。

一目でわかった。これはマスオとタラヲの遺品だ。

死んだ家族に何も感じないかのように、それらは無造作に捨てられていた。



ノリスケ(マスオさん……)



ステツキを手にとる。

そのときノリスケは、そのステツキが一本の削りだしではなく、何か細工がされていることに気づいた。

ステツキの両端を持ち引くと、中から鈍く光る刃が現れた。



ノリスケ(仕込み杖だ!)



ノリスケはふと思いつき、横に並んだタラヲの三輪車のサドルを引いた。

現れる刃――やはり、仕込み三輪車だ。

二人は何かを恐れていたのだ。

ノリスケは鈍く光る刃を見つめながら、その相手は誰かと考えていた。





39:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)23:04:23ID:UuGMF0jQO

ノリスケはステツキの刃を仕舞うと、隣家を見た。

磯野家の隣は、ノリスケの担当作家である伊佐阪難物の家だ。

ノリスケは伊佐阪家の戸を叩いた。



ノリスケ(隣人ならば何か知っているかもしれない。ついでに、原稿の進捗状況も確認して行くか)



ノリスケ「こんばんはー、波野です」



難物「やあ、君かい」



ノリスケ「先生、原稿の方はどうですかね?」



難物「うむ……」





40:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/03(土)23:12:58ID:UuGMF0jQO

ノリスケ「なんだ、出来てるんじゃないですか!」



伊佐阪難物の仕事部屋で原稿を受け取り、ノリスケは拍子抜けした。

筆の遅い伊佐阪だけに、てっきりまだだと思っていた。



ノリスケ「先生があんまり浮かない顔をしてらっしゃるので、てっきりまだなのかと」



難物「うん。実はだね、浮かない顔をしている原因は他にある」



ノリスケ「他ですって?」



難物「あゞ。隣の磯野さんのことだ……君は親類だったな、何があったのかは知っているだろう?」



身体に電流が走った様に、ノリスケは硬直した。

伊佐阪は何かを知っている。



ノリスケ「先生、実は私は知らないのです。そして、知りたいのです……先生は御存知なのですか?」



難物「ああ……ならば、或いは私は教えるべきなのかもしれん」



革張りの椅子に腰を下ろし、溜息をつくように伊佐阪難物は云った。





難物「全てを話そう、波野くん」









43:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)08:45:17ID:RSBjNch6O

難物「そこに赤い表紙の本が在るだろう……取ってくれたまえ」



伊佐阪に言われ本棚を見ると、確かに赤い表紙の本が一冊、投げ出すように机に置かれていた。

ノリスケは本を手に取る。きちんとした出版物ではないようで、粗末な作りである。

その本を伊佐阪に渡すと、彼は悲しい目をしてその本を膝においた。



難物「これなのだよ、波野くん」



ノリスケ「これ、とは?」



難物「この本さ、これこそが神の散文……磯野一家を狂気に陥らせた原因なのだよ」



ノリスケは伊佐阪の膝の本を凝視した。

確かに血のように赤い表紙は不気味であったが、一家を狂気に陥らせる代物には見えなかった。

いったい何が書いてあるというのか。



難物「不協和音、というものがある」



ポツリと伊佐阪が云った。



ノリスケ「はあ、不協和音ですか」



難物「音は音だが、あれを心地良く思う者は居まい。逃げれんのだよ……互いに質の違う音が同じ牢に容れられたが故の、共食いの音だ、あれは」



ノリスケ「共食い……」



難物「しかし、聴覚で起こる共食いがあるなら、視覚に起こる共食いはどうなのだろうね、君?」



ノリスケ「視覚……先生、それで散文なのですか」



ノリスケの問いに、伊佐阪の小さな禿頭が縦に揺れた。





44:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)08:56:36ID:RSBjNch6O

難物「波野くん、言葉と意味は別に在る」



ノリスケ「シニフィアンとかシニフィエとか、そういうことですか?」



難物「そうだ、波野くん。シニフィエのみを追う内は人は事態しか見ることが出来ん。私は文学とはシニフィアンのみに因るものだと思ったのだよ」



ノリスケ「そんな馬鹿な!それで何が伝わるというのです!」



難物「伝うというほど明確な観念ではない。不快や不安を煽り、無意識的に狂気に陥らされる韻律を、私は完成させたのだよ。不協韻律とでもいうかね」



そういう伊佐阪の顔は狂気に歪んでいた。

ノリスケは外套の内ポケットに手を入れると、カセットレコーダーの録音ボタンを押す。

彼の神経は、明らかに消耗していた。





45:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)14:09:44ID:RSBjNch6O

難物「不協韻律はシニフィエではない……ならば、言語の異なる国でも通づるはずだ。私はそう考え、不協韻律で綴られたこの本を英国の知人に送った」



ノリスケ「どうなったのです?」



ノリスケはたまらず尋ねた。

伊佐阪はすこし間を置いて、「彼は狂った」と云った。



難物「最初は韻律に関する意見めいたものをくれたりもした。だが、漠然とした不安と脅迫観念に襲われた彼は、やがて全てを拒絶するように虚無的になった」



ノリスケ(伯父さんたちと一緒だ!)



難物「外界への不安と恐怖から、意識は内面へと向かい、自らの内だけに快を求めようとする――あの韻律を読んだ者は皆、ね」



ノリスケ「ではまさか、その本を伯父さんたちに……」



難物「ああ、見せた。彼らもまた同様に虚無的になった。しかし――マスオくんは違っていた」



ノリスケ「何故彼だけ?」



難物「わからん。憶測だが、彼には詩文の才があったのかもしれん、非凡なところのある男だった」



ノリスケ「ではタラちゃんは?」



難物「ふむ……マスオくんの子だからな。非凡な何かを受け継いでいたのかも――」





「違うね」

突如聞こえた第三者の声にノリスケが振り向くと、そこにはピストルを持った、唇の厚い男がいた。







47:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)19:05:01ID:RSBjNch6O

穴子「フグ田マスオとタラヲに血縁関係はなかった」



部屋に入ってきた男は伊佐阪の眉間にピストルを向けそう云った。



穴子「タラちゃんが発狂しなかったのは、彼がアプリオリに狂気を帯びていたからだ。彼は捨て子だったようだから、乳児期の某が関連しているのかわからんがね」



ノリスケ「あなたは確かマスオさんの同僚の……何故あなたが」



穴子「気にするなよ、波野くん。それらは全てトゥリビアルだ」



ピストルという破壊的道具の出現に、ノリスケは慌ててマスオの遺品の仕込み杖を引き寄せた。

一方の伊佐阪はというと、自分を向いた銃口に物怖じもせず乾いた笑い声を上げた。



難物「あゞ……わかったぞ。マスオくんとタラちゃんを殺したのは君だな」









50:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)20:39:45ID:RSBjNch6O

穴子「そうさ、これこそが神の散文だ」



穴子の指が引き金を引く。

乾いた銃声が響き、逃げようと身体を反転させた伊佐阪の背に穴があいた。

伊佐阪は血に塗れながら、不協韻律を叫んだ。



難物「姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛いトミノは宝玉を吐く。ひとり地獄に落ちゆくトミノ、地獄くらやみ花も無き。鞭で叩くはトミノの姉か、鞭の朱総が気にかかる――」



穴子「神を……神の散文を我に問いたまえ!飢餓の子も愚かしき知恵者も、イデアの余命を求めんとする識者も。トミノすらも救い給う神の慈悲を!」



互いに叫びながら、撃ち続ける穴子と死に近づく伊佐阪。

ノリスケは呆然とそれを見つめるが、やがて我に還った。



ノリスケ(此処にゐては駄目だ、狂つてしまう!)



ノリスケは近くにあったストーブを引き倒すと、こぼれた灯油にライターで火をつけ逃げ出した





51:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)20:51:04ID:RSBjNch6O

家の外に出ると、ノリスケは燃え盛る伊佐阪邸を見た。

炎は隣家――磯野邸にまで燃え移り、地獄の炎がサザヱの特徴的な背影(シルエット)を浮かび上がらせた。

助けに行っても無駄だろう。

彼らは狂っているのだ。



ノリスケ(或いは僕が狂つているのか)



不定だ、とノリスケは位置付けた。

主従も恋も散文も、基準を原点に位置付けられた僅かなカンマかピリオドだ。



燃え盛る磯野邸から小さな影がまろび出る。

タマである。

ノリスケはそっとタマを抱き上げると、その小さな身体を業火の中に投げ込んだ。



ノリスケ(きみもくるゐなさい)



記事も仕事も失った。

引きつった笑いを浮かべるノリスケの丸顔を、炎が朱く照らしてゐる。



ノリスケ「明日はハローワークへ行こう」





52:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)20:51:29ID:RSBjNch6O

【ノリスケ編完】







54:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)21:01:24ID:RSBjNch6O



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キnitaみゆな仝仝ばまjか





55:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)21:02:46ID:RSBjNch6O

【第四章伊佐阪甚六】





58:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)21:12:54ID:RSBjNch6O

甚六「家が……」



帰宅しようとした伊佐阪甚六は、焼け落ちた自宅を見て愕然とした。

親の口座から卸した金で風俗へ行っていた甚六は、この火災に巻き込まれずに済んだ。

だが、これではどう生活をしろというのだ。

事情を聞こうにも、唯一関わりのあった隣家の磯野邸も焼け落ちていた。どういうわけか消防隊も警察も駆けつけないので、何ともままならない。



甚六(金は多めに卸してあるし、ホテルにでも泊まるか)





59:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/04(日)21:36:17ID:RSBjNch6O

甚六「すみません、予約はないんですが空いてる部屋はありませんかね?」



フロント「空き部屋ですか、少々お待ちください」



甚六「出来れば安いとこでね……」



云いながら、甚六は理由のない怒りを覚えていた。

フロント係の、礼節をわきまえたそつのない言動。それがやたらと鼻についた。

甚六はたまらず、堅く握った拳をフロントの顔面に叩き込んだ。

うずくまるフロント係。

ざわめくロビーの中で、甚六はフロント係の髪を掴み無理やり顔をこちらに向ける。



甚六「スイート。今すぐ」



フロント「は……はひ……」



部屋の鍵を受け取り、エレベーターに乗り込む甚六。

その頃になって、ようやく甚六は頭が冷えてきた。



甚六(なんだ今の暴力衝動は?)







61:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)10:22:57ID:4yzaV.JIO

甚六は部屋に入ると、學生服の上を脱ぎ、ベツドに寝転んだ。

何の気なしにテレビジョンをつけると、禿頭の政治家が何やら熱辯を奮ってゐたが、甚六には全く興味が沸かなかった。



甚六(何故、僕はフロント係を殴りつけたのか)



低い天井を見上げながら、甚六は考えた。

家族や隣人一家を襲ったのと同じ狂気が、自分の中にも根ざしてゐるのか。

否。

母である軽や、妹の浮えは確かに父の本を呼んだ。気がふれても仕方ない。

しかし、甚六は本を読まなかった。狂つてゐるはずがないのだ。



甚六(シャワーでも浴びて気分を変えよう)



甚六はおもむろに起きあがると、ズボンとブリィフを脱ぎ捨て、全裸で浴室へと向かった。





62:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)11:15:27ID:4yzaV.JIO

熱ひシャワーを浴びて、甚六はほぅと溜め息をついた。

湯が身体をほぐすやうに伝い、芯から何かが解けてくるやうであつた。

たかだか水を浴びるだけでこうも違うものかと甚六は感心する。



甚六(存外、ターレスは正しかったのかも知れぬ)



薄目を開けて乾ひたタオルを手に取ると、甚六は頭と顔を拭つた。

粗方の身体を拭き終え、腰にタオルを巻き付けると甚六は浴室を出た。

備え付けの冷蔵庫から別料金の缶ビールを引っ張り出すと、一息に飲み干した。

二缶目を取り出し飲みながら、ベッドに戻る。

そこで甚六の目は見知らぬものを認めた。



無造作に脱ぎ捨てられた服の上に、黒光りする一挺のピストルが置かれていた。





63:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)12:50:27ID:4yzaV.JIO

甚六は恐る恐るピストルを手に取った。

ずっしりとした重みが、本物であることを物語ってゐた。

部屋に入ったときにはなかったものだ。恐らくシャワーを浴びている間に、誰かが置いていったものだろう。

弾倉を引き出してみると、七発の弾が装填されてゐた。

グリップを握ると、あのフロント係を殴りつけたときより、より激しい暴力衝動が甚六の中に芽生えてくる。

誰かを、殺せということか。



甚六「僕は狂人ぢゃあない!」



甚六の中の理性が悲鳴を上げた。

ベッドの上にピストルを放り投げるが、途端に云いようの不安に襲われ、甚六はまたピストルに手を伸ばした。



甚六(姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛いトミノは宝玉を吐く――)



読んだはずのない、父・伊佐阪難物の詩がヘドロのやうに頭にこびり付く。

甚六ははっと目を見開いた。



甚六「これこそが神の散文なのだ」





64:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)13:12:50ID:4yzaV.JIO

甚六は小躍りするようにベッドで跳ねると、硬く怒張した一物に残ったビールをかけた。



甚六「これは神の散文だ!」



甚六「これは神の散文だ!」



そう叫び、どたんばたんと暴れながら、甚六はベッドから転がり落ちた。

脚の骨が折れたのか、甚六は立ち上がれない。



甚六「これはいささか困ったことになりましたな」



甚六は射精した。

そのときであった。





――コンコン



騒ぎを聞きつけた従業員がやってきたのか、ドアーをノックする音がした。

その音で、甚六の視界が急速に収束し、目の焦点が合った。



甚六は、正気に戻つた。



そして、



ピストルを自分の頭に押しつけると引き金を引いたのであつた。





65:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)13:33:07ID:4yzaV.JIO

伊佐阪甚六の死体はホテルの従業員に発見され、他のゴミと共にダストシュートから捨てられた。

不思議なことに、ピストルに込められていた七発の弾丸は全て甚六の頭に撃ち込まれていた。死後も甚六の指が引き金を引いたのかはわからない。



伊佐阪難物、軽、浮えの三人はやはり家と共に燃えてしまつていた。

磯野家の面々も同様である。彼等が正気に戻ることはついに最期までなかつた。



穴子がどうなったのかはわからない。

しかし、スコットランド・ヤードに穴子なる日本人が在籍していた記録はない。



伊佐阪難物の書いた狂詩は、彼の友人の西条という男の手に渡ったと聞くが、その詳細は定かではない。





66:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)13:33:54ID:4yzaV.JIO

【甚六編完】





68:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)14:01:55ID:4yzaV.JIO

【最糸冬ショうおまい ら】】】】】】】





69:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)14:04:30ID:4yzaV.JIO

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┠三/





70:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)14:07:31ID:4yzaV.JIO

●●

 ↓

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 君 た 





        ち

        は





正常です

     か?





71:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)14:08:07ID:4yzaV.JIO

ネ申









月×





× を





73:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)14:34:50ID:4yzaV.JIO

燃え たんだ よ



  全部

   燃

   え

   た

    ん

   だ

   よ

 /⌒゛~ ̄ ̄ ̄\

/ ____|\__\

|_し  ⌒  ⌒ | ̄

 |∴ (。)  (●) |

 (6    つ  |

 |  ___ | 

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78:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)17:00:50ID:4yzaV.JIO

ネ申









月×





×

 かい?



  三 ̄ ̄ ̄ ̄\

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 /  >⌒ ⌒|

 /  / (。)(。) |

 |_/----●-●-|

 | (=    つ  |

 |   ___ |

 \  /_/ /

   \___/



キミ達が信じやうが信

         じ

         ま

         いがね



全てはミーメシスなのだ よ







81:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)22:50:06ID:4yzaV.JIO

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君た

 ちは矢ロらなゐ





    僕

    も

    矢ロ

    ら

     な

    ゐ





82:以下、VIPにかわりまして(^N^)がお送りします:2010/07/05(月)23:04:36ID:4yzaV.JIO

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幸せだよ幸せだよ





出典:カツオ「カッツオwwwカッツオwww」

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