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引っ越してきた二つ年下の子 4 非エロ体験談

139:9k1Z+XoP0[sage]:2009/08/25(火)18:50:53.59ID:XzDvhOU0

夏休みも、もう終わりそうな9月。



まだ、香子が帰ってきたという連絡は無い。

このまま、退学してしまうんじゃないだろうか。

俺の中を、不安が過ぎった。



一度、そう思いだすといてもたってもいられなくなるのが俺の悪い癖だ。

俺は、暫くぶりに、香子の家に行ってみた。



やはり、香子はいなかった。

だが、お母さんは戻ってきていた。



「あら、久しぶりね、幸介君。」



お母さんは、昔の明るさを取り戻していた。

そして、また居間に上げてくれた。



「大学の方はどう、順調?」

「ええ、おかげさまで。なんとか、就職も決まりまして。」

「あらあら、良かったわねw」



機嫌も良さそうだし、もしかしたら、香子は帰ってくるんじゃないだろうか?

そんな期待を胸に、思い切って聞いてみた。



「あの、香子さんは、お元気ですか?」



「元気よ、もうすっかり。なんだけどね…」



少し、お母さんの顔が曇った。



「家を訪れる男の人と会うのはもう平気なんだけど、街に出るのが、まだ少し不安みたい。」

「そう、なんですか。」

「あと一歩が、踏み出せないみたいで。それさえ出来れば、精神も安定してるし、もう大丈夫ってお医者様も言ってるんだけど…」



俺は、考えた。

考えて、考えて、考えた。

そして。



「……俺、香子さんに会いに行ってはだめですか?」



この半年以上もの間、俺は、香子の連絡を待っていた。

ひょっとしたら、携帯が鳴るんじゃないか。

迎えにきてって言ってくれるんじゃないか。



そんなことを考えながら、しかし、連絡は無かった。

ひょっとしたら香子にとって、もう俺は忘れたい存在なのかもしれない。

責任を感じるなって言ったのも、もう忘れてってことなのかもしれない。



だけど、それでも。

俺は面と向って言われるまで、諦めることが出来なかった。



「いいわよw」



お母さんはすごくあっさりと、了承してくれた。



「この週末に私も山口に戻るから、一緒に行きましょう。」

「は、はい、お願いします!」



俺は、やっと香子に会えると思うと、

天にも昇るような気持ちだった。





週末、土曜日。

俺は、お母さんと一緒に新幹線に乗り込んで、山口に向っていた。



新幹線を降りて電車に乗り換え、長旅だ。

そんな長時間、お母さんと一緒にいるのは結構気まずかったが、

お母さんは雑誌を読んだり音楽を聴いたり、長旅も慣れた様子で、

あまり気を使わなくていいので、助かった。



そして、最後のバスを降りると、お祖父さんが車で迎えに来てくれていた。もう夕方だ。



「よう来たねぇ」



香子のお祖父さんは、とても人の良さそうな印象で、

実際、ものすごく良い人だった。

俺はやたら歓迎されたんだが、何か勘違いしていたのかもしれない。



家の前には、お祖母ちゃんもいた。

まず、お母さんが近づいていく。



「お義母さん、お世話になります。香子はどこでしょう?」

「裏庭におるよ。」



お祖母さんはニコニコとしながら言い、俺に向っても軽く頭を下げた。

俺も、慌てて挨拶する。



「あ、あの、私、田中と申します。この度は〜」

「いいから、香子と会ってきなさいw」



お母さんに苦笑されながら背中を押され、

俺は大きな古い家をぐるりと回って、裏庭に出た。



裏庭の後ろは、広大な森が見え、その向こうには海まで見えた。

その海に沈む夕日を見つめながら、香子は居た。



「……香子。」



俺の呼びかけに、振り向く香子。



若干痩せて、色も白くなったようだが、ほとんど変わりない。

だけど俺は、

その姿があまりにも懐かしすぎて、

そして、またどこかに消えてしまいそうで怖くて、

今にも涙が零れそうだった。



香子は、男に怯えているはずだ。

不用意に近づいていっていいものかどうか。

わからないので、もう一度、名前を呼んだ。



「香子。…俺、来たよ。」



途端、香子は頬を思いっきり膨らませて、こっちに向ってズンズンと近づいてきた。

さっきまでの儚げな印象とはまるで違う。



「おーそーいーーーーー!!」



俺の眼前まで来ると、香子は思いっきり叫んだ。



「う、うい?」

「今までどうして放っておいたのよう!あんなにご飯だって作ってあげたのに!可愛い幼馴染が心配じゃなかったの!!?」



一気に捲くし立てる香子の勢いに押され、俺はニ三歩たじろいた。



「い、いや、メールとか電話とかもなかったし…」

「だって私、あの時携帯壊れちゃったんだもん!すぐ買いなおしたけど、連絡全然くれないし…」



あいたたた。またやってしまったのか俺ってヤツは。



いや、それにしても。



「お、とこ、を避けてるって聞いたから、あんまり、その…」



上手く言えない。

が、香子には伝わったようだ。



「何言ってんの、こーちゃんを怖がるわけないじゃないw」

「え、だって男全員って…」

「例え他の男の人が皆、私を虐めても、こーちゃんは助けてくれるでしょ。…初めてあった時みたいに」



香子は、手を差し出した。

俺は、あの時のように、その手を掴む。



「……帰ろう。」

「うんw」



俺は、香子の手を引いて、歩き出す。



「ホントはね、夏休み中が勝負だったんだよね。」

「へ?」

「夏休み中に迎えに来てくれなかったら、こっちから行って殴ってやるところだったw」



なんだってー!?



「じゃ、じゃあ街に出れないとかは…」

「全然平気。夏休み前には、一人で買い物行ってたよ。キリがいいから、後期から復学しようと思って。」



なんというか、お母さんの策士ッ!!



そして、その日から二日間も俺はお祖父さんの家にお世話になり(寝所は一人だよ!)、

香子と、お母さんとともに、大学のある、俺たちの街に戻ってきた。



しかし、これでハッピーエンド、というわけではなかった。



俺には、重大な仕事がもう一つ残っていた。

それは、お父さんの攻略だ。





後期が始まって、すぐの日曜日。



俺は、香子の実家の前に来ていた。

香子に頼んで、お父さんと話すための機会を作ってもらったのだ。



「そんなの気にしなくていいのに。」



香子はそう言うが、



「いや、これはケジメなんだよ、俺なりの。」



俺は、スーツまで着て、気合い十分だった。



そして、家の中に入ると、またまたお母さんに案内されたが、

今度は居間ではなく、和室だった。

そこで体格のいいお父さんが正座で待っている姿は大迫力だったが、

ここで怯んでいるわけにはいかない。



「失礼します。」



俺は就活で培った扉の開け閉めスキルで、見事に音も立てずに入室した。



「うむ。」



頷いたお父さんの前に、正座する俺。



「ご無沙汰しております、田中幸介です。」

「うむ。」

「実は、本日は折り入ってお願いにまいりました。」



御託はいらない、単刀直入!



「俺は、香子さんのことが好きです。愛してます!一生、二度と傷つけないように守ります!」

「……」

「ですから、香子さんに、結婚を前提としたお付き合いをするために告白する許可をください!」



順序はデタラメだが、仕方ない。

俺は、一度はお父さんに近づくなと言われた人間だ。

なので、お父さんの許可なく香子に近づくことは出来ない。

そんなことを、大真面目に考えていた。



「プッ」



襖の向こうで、お母さんの吹き出す声が聞こえた。



「な、なんでお父さんから??///」



香子の照れたような声も聞こえる。



お父さんは、ゆっくり、頷いた。



「うむ。」





「なんというか、君はいろいろズレているな。」



お父さんは苦笑混じりに言う。



「は、はい…自覚はあります。」

「だが、まあ娘を想う気持ちは伝わった。告白する許可はやろうw」



やった!俺は心の中でガッツポーズした。



「しかし、結婚は別だぞ!娘はまだ学生だし、君もそうだ。いつ気が変わるかわからん。大体、結婚なんてものは…」

「お父さんは、香子を嫁にやりたくないだけでしょww」



堪えきれなくなったのか、笑いながらお母さんが襖を開けて入ってきた。



「もう、こーちゃんってば……///」



香子は真っ赤になりながら、部屋に入ってくることもできない。



「はは…」



俺は、照れ笑いするのがやっとだった。



勢いでご飯をご馳走になったあと、

俺は香子に送られながら、香子の家を出た。



「もう、なんでこんな…」



香子はまだブツブツ言ってる。



「いや、でも良かっただろ、けじめもついてw じゃ、また明日な!」

「ちょ、ちょっと待って!何か忘れてない!!?」



歩き出したが、慌てる香子の元へすぐ戻る。



「冗談だよw……えーと、なんだ……」



急に気恥ずかしくなってきた。

香子は、黙ってこっちを見つめている。



「…その……香子、好きだ!もう、すごい、あり得んぐらい好きだ!」

「な、なにそれ」

「俺は、香子が居なかったらここまで来てなかった!全部香子のおかげだ、ありがとう!」

「……。」

「だから、俺は香子じゃないと駄目なんだ。俺と、付き合ってくれ!!」



閑静な住宅街に、俺の叫びが木霊した。



「もう、恥ずかしいから//」



香子は、思わず俺の口を塞ぐ。

その手を取りつつ。



「で、どうなんだ?」

「……仕方ないなぁ、ご近所にも知れ渡っちゃたし、付き合って、あげるわよ//」



真っ赤に染まった頬の香子。



「やった!やったーーー!!」

「ちょ、ちょっと…」



俺は香子を抱き締め、再び雄たけびを上げた。



後々、お父さんに「近所迷惑は感心せんな。」と怒られたのも良い思い出である。





それから。



俺は、就職し、社会人三年目。

香子は半年の休学をものともせぬ頑張りで、無事、四年間で大学を卒業。

今年から、新社会人として働いています。



そんなわけで、俺の長い長い思い出話も終わりです。

みなさん、お付き合いと暖かいレスをどうもありがとう。

レス返せなくてごめんなさい。



これで、テンションも上がりました。決意表明もバッチリ。



さあ、プロポーズにいくぞー!!!

時間間に合ってよかったww



では、いってきまーす!

最後まで俺らしく突っ走ってきます!!



今日はいい日だ!!





出典:引っ越してきた二つ年下の子

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