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(続)Hだけどちょっとイイ話〜千紘とのその後〜 恋人との体験談

「あれっ、似てるな!」

 あるスポーツイベントの取材で千駄ヶ谷駅の改札を出たときだった。三つほど向こうの改札口に向かって小走りで駆け抜けた女性。他人の空似?振り返ったがその女性はもう人波に紛れて見えなくなっていた。千紘に似ていた。



 千紘と別れて10年。俺は一応そこそこの大学に行ってたおかげで大手マスコミ関係(M新聞社)に就職することができた。取材や何やらで女を作るどころではなかった。仕事がしんどくて風俗関係に首を突っ込むこともしていない。いつの間にか俺は女と無関係な生活を強いられ、またそれに甘んじることが続いて、ここ3年ほどは朝立ちもなくインポの手前になっていた。ふと気づいたらとっくに30を過ぎていた。

 実は、俺には父親の知り合いの紹介で付き合い始めていた女性がいる。別に好みのタイプでもなかったが、30過ぎで独身の子を持つ親同士の思惑が一致したらしく、結婚を前提(俺はまったくその気がなかったが)で付き合い始めて4ヶ月。相手は小学校の先生だが俺は土日も無関係で関西圏を中心にあっちこっちに飛び回る記者ということでデートもろくにしていない。メールのやり取りとたまに食事をするくらい。エッチとは程遠い「健全な」付き合いだったのだ。



 千紘によく似た女性(ひょっとして幻?)を見た夜、俺のペニスは久々に痛いほど勃起した。ビジネスホテルの有料チャンネルを見ながら自分でしごく。妄想は千紘のあの部分に突っ込んでいる俺。AVの声が千紘の声に聞こえてくる。たまらなくなってドビュッと射精。情けねぇ!!32にもなってこれかよ!!・・・・・そんな情けない夜を二晩過ごした後のこと。

 仕事を終えて大阪に帰ろうとしたとき、まるで何かに惹かれるように総武線に乗り換えた。そして千駄ヶ谷駅を出るとき俺はほとんど無意識に千紘に似た女性を探していた。駅を出て通りを渡ろうとしたときだった。白いブラウスにすらりとしたグレーのパンツスタイル。バッグを肩にかけて向こうから歩いて来るのは間違いなくあの千紘に似た女性!!通りの真ん中ですれ違う。すぐに俺は振り返った。すると、なんと向こうも振り返っていた。間違いない!!

「千紘!!千紘だろ?」

「A君?ホントにA君?」

 俺は弾かれたように千紘に駆け寄ると両手を握った。千紘も握り返す。そのうち信号が変わって左右の車が走り出した。俺たちはセンターラインの上で次の信号が変わるまで無言のまま手を取り合って立ちすくんでいた。

 彼女の東京でのこと。俺のその後。お茶でもしながらそんな話に花を咲かせる・・・というのが普通の再会のスタイルだが、俺たちは違っていた。俺も千紘も何かがまた燃え出していた。まだ夕方で明るかったが俺たちは人目も気にせず歩道で抱き合った。

「A君いいの?こんなことしてて」

「千紘こそ」

「・・・・・」

 俺は千紘の沈黙が気になった。俺には付き合い始めた女性がいるとは言っても手を握ることもしていない。ひょっとして千紘にはもうダンナでもいるのでは?千紘の細い体を抱きながら俺は不安になった。俺たちは体を離すと並んで歩道を歩く。

「今日は仕事帰り?」

「うん。A君は?」

「俺は今日まで出張でこれから戻るとこ」

「そっかぁ。じゃあもう帰っちゃうんだ」

「・・・・・」

 今度は俺が黙り込んだ。ほんの何分かだったがとても長い時間が過ぎたような気がした。俺は言いたいことが言えない。しかし、その理由が千紘に伝わったようだった。

「A君さえよかったら・・・今夜は一緒にいたいな」

「えっ?千紘はそんなことして大丈夫なの?」

「大丈夫・・・かな?」

 意味深長な言い方をしてクスッと笑った。俺はタクシーを拾って適当に行き先を告げ、流れる景色の中からホテルのサインを探した。俺はまるで十代の若いヤツのように胸が高鳴っていた。それと同時に股間にズキズキとした高まりを感じていた。千紘の手を握る。そして小指でくすぐるような動作をするとギュッと握り返してきた。握った手を千紘の太股の上に載せる。そして小指で内腿を撫でる。千紘はピクッと反応した。今度は俺のズボンのすっかり膨らんだところに載せる。そしてゆっくりと前後させた。千紘は俺を見上げるように見つめている。その目は潤んでいてもう感じている表情だった。

「欲しくなった?」

 無言で小さくうなずく千紘。ホテルのネオンサインが二つ三つ見えたところでタクシーから降りて、そのうちの一つに入る。

部屋に入るや俺は千紘を思い切り抱きしめた。そしてキスをした。何度も何度も唇をむさぼりあう俺たち。そのままバスルームに向かう。お互いに脱がし合うのも久しぶりの刺激だ。千紘と初めてホテルに入ったときのように下着姿で抱き合う。ブラジャーのホックをはずすと俺は乳首にむしゃぶりついた。片方を指先で転がしながら、舌先で攻める。漏れてくる「ウン、ウン」という声も昔と変わらない。両手はウエストから相変わらずかわいらしいヒップへ。パンストに包まれたヒップを両手で撫でながら右手を前から股間に滑り込ませた。ショーツ越しにもう濡れているようなグニュグニュした感触が伝わってくる。「ハアッ、ハアッ」千紘は息が荒くなりよろめくように洗面台に手をついた。俺はパンストのウエストに手を掛けるとショーツごと引きおろして脱がせ、あの部分に指を持っていく。もう十分に濡れていた。先のほうの敏感な突起に触れると「アンッ」と声をあげて体をよじる。そのしぐさがたまらない。しばらく指先で千紘を感じた後、ゆっくりとキスをした。

 今度は千紘が俺のトランクスに手を入れてくる。もう先っちょから我慢汁で溢れそうな俺のペニスを握ってゆっくりとしごく。そして床にひざまずくとトランクスを引きおろして口に含んだ。俺はこれまで口でイカされたことはあまりなかったが、この夜は違った。千紘の攻め方も何か激しかった。亀頭の裏側の敏感な部分に千紘の舌が何度も何度も絡みついてくる。俺の下腹部はもうすでに締めつけられるような射精感が襲いかかってきていた。俺はどちらかというと膣の中で射精したいという気持ちが強い。まして千紘とは10年ぶりのエッチだ。千紘の中で出したかった。が、遅かった。今までためにためたものが一気に放たれたような、ものすごい開放感とともに、全身鳥肌が立つような快感が爆発した。ビクビクと何度も脈打ちながら千紘の口に射精してしまった。スゴイ量だったに違いない。

「ウッ・・・A君・・・スゴイ!!」

千紘はむせながら俺の精液を全部飲み干してくれた。

「ゴメン。俺、がまんできなかった」

「いいよ。私もA君に口でイッてほしかったから」

 俺たちはシャワーするとすぐにベッドで抱き合った。もう一刻も早く千紘と一つになりたかった。千紘もまたそれを求めていた。千紘のほっそりとした足を開くとペニスをゆっくりと入れていく。「アッ、ア〜ン」声を出しながら俺の両腕をギュッとつかむ千紘。正常位のまま腰を振る俺。「ハアッ、ハアッ」よいう息遣いとつながっている部分からもれる「クチュッ、クチュッ」といういやらしい音が部屋に満ちている。さっき一度口で出しているのでなかなかイク気配がない。そのうち千紘のほうが先に上りつめたようで、上半身をよじるように動く。

「アア〜ン。A君いいよ、いいよ〜ッ!!」

「千紘イクの?イクの?」

「A君は?」

「俺はまだ大丈夫。千紘、イッていいよ」

「アアッ、イク、イク・・・イッちゃうよ〜」

 千紘は俺の両腕につかまったままのけぞるように体を痙攣させた。千紘の膣がピクピクしながら俺のペニスを柔らかく締めている。俺は上から千紘を抱きしめると、千紘も両腕を俺の首に回して抱きついてきた。俺の耳元で「ハアッ、ハアッ」と千紘の切ない息遣いがささやくように聞こえる。そのうちに俺にもイキそうな気配がやってきた。このときコンドームをしていないことに気づいた。さっき千紘の口で感じたよりももっと強い快感の前兆が俺のペニスの根元に渦巻く。射精感が走る前に俺は引き抜こうとしたが、千紘は両足を俺の腰に巻きつけるようにした。

「千紘、俺もう出そう!」

「いいよ。出して。私の中でイッて」

「ゴムしてない」

「いいの。中で出して」

「アッ!!イクッ!!」

 俺は何とかして抜こうとしたが、最初の射精に間に合わずそのまま千紘に押し付けるようにしてドビュッ、ドビュッと千紘の膣の奥深くめがけて射精してしまった。

「よかったの?ホントに中で出して?」

「ウン。今日は何か大丈夫な気がしたから」

「でも、できたらどうすんの?」

「そのときは、そのときの話だよ」

 昔と変わらないあっけらかんとした物腰は俺が一番千紘に惹かれたところだ。実際には妊娠しなかったのだが、もしもできてしまったら・・・などと男の俺のほうがクヨクヨしていた。



 お互いに次の日の仕事の関係でその日は泊まるわけにいかなかったので、名残を惜しみながら後一回だけ(今度はちゃんとコンドーム付きで)した。

 Hの合間にいろいろと話もしたが、実は千紘もこのとき同じ業界の年下の男と同棲中だった。ただ、お互いの仕事のスケジュールが合わず、同棲とはいっても家賃を割り勘しているみたいなもので、エッチも慌しくて今日のような濃いエッチは久しぶりだったらしい。

「やっぱり私の体はA君が一番しっくりしてるよ。何しろ初めての人だし」

「俺も千紘が一番だよ」

「ホント?何か怪しいな。正直に言って。この10年で何人と寝たの?」

「信用されてないな。信じられないかもしれないけど就職してからはゼロ!」

「それって風俗関係も含めて?」

「そうだよ。千紘は?」

「今の彼で4人目。でもみんな半年くらいで向こうから出て行くんだよ」

「今の彼とは?」

「そろそろって感じかな」

 俺たちは互いの住所とメルアドを交換しこの夜は別れた。



 俺は帰るとすぐに実家に戻り、親父が激怒するのを覚悟で例の女性との交際を止めることを告げた。大して付き合ってもいなかったのに相手方はソノ気満々だったらしく、後がけっこう大変だった。しかしこれで俺は晴れてフリーとなった。

 一方、千紘は自分から別れを切り出し、ついでに所属していた事務所も飛び出して関西圏を拠点とする某芸能プロダクションの、しかも某売っ子タレント専属のスタイリストとなった。俺は知らなかったのだが千紘はこの業界では有名になっていたらしい。雑誌やテレビにも登場している。



「エヘッ、飛び出しちゃった」

 その朝千紘は突然俺のマンションにやってきた。俺はすでに出勤準備万全の状態だったが、玄関先で千紘と抱き合ってキスをするともうがまんできなかった。

「ちょっと待って。会社に電話するから」

 俺はポケットから携帯を取り出すと上司に体調不良を理由に欠勤する旨を告げた。

「あらら、悪い子。会社サボっちゃうんだ」

「千紘が悪いんだよ」

 そう言うと俺は千紘のスカートをまくり上げてあの部分に指を突っ込む。千紘もズボンのジッパーを下ろしてすっかり勃起した俺のペニスをつかむ。俺はグレーのコートに赤いチェックのスカート、黒いタイツにブーツという姿の千紘を左手で抱き寄せるようにして、右手はスカートの中をまさぐっている。千紘はスーツ姿の俺を同じように左手で抱き、右手はズボンの前を開いて中でうごめいている。朝っぱらから玄関で何ともいやらしい光景だ。

「A君したい?」

「したいに決まってるだろ」

「ゴムは?」

「あっ、用意してない」

「ふ〜ん。やっぱりまじめに記者さんやってるんだ。はい、これ」

 何と千紘がポケットから銀色の四角い例の包みを取り出した。千紘は初めからここに来るとすぐにエッチするつもりだったようだ。俺は嬉しくなりさっさとコンドームを付けると千紘に向こうを向かせてスカートをまくりタイツとショーツを膝まで下ろすと、もうすっかりグショグショになったあの部分にペニスをぐっと押し入れた。自分の家とはいえこのいやらしいシチュエーションに刺激されて俺たちは激しく絶頂を迎えた。

「千紘、イクよ、イクよ!!」

「いいよ。イッていいよ。A君、私もイッちゃう」

 俺は後ろからしっかりと千紘を抱きしめてドビュッと思い切り射精した。千紘も俺の腕にしっかりとしがみついて「ウ〜ンッ!!」と声を上げて体をのけぞらせた。このとき誰かが玄関先にいたら声を聞かれていただろう。しばらくは立ったまま重なっていた。もう離れたくなかったのだ。

俺たちはこの日婚姻届を出しに市役所に行った。





出典:ほんとの話

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